ある夏の日、<友>が<私>を訪ねてくる
…登場人物はその二人だけ。
長い長い別れ話が始まった。
■ものがたり
蒸し焼きにされそうなある夏の日。畳の上で部屋着姿のまま床にはいつくばる「私」の前に、高校時代の同級生「友」が現れる。話を聞くと、自転車に乗ってずいぶん遠くから走ってきたという。久しぶりの再会に喜ぶ二人は、じゃれあうように会話を楽しむ。しかし、ふとしたはずみで出る「友」の言葉は、二人の間には埋めることのできない大きな溝が横たわっていることを気付かせる。「友」は言う、「俺のこと忘れないでいて欲しいんだよ」二人の長い長い、別れ話が始まる-。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
阿佐ヶ谷スパイダースは1996年の旗揚げから、毎回キャストを集めて新作を発表する「演劇プロデュース・ユニット」として活動してきました。これは作品の多様性を高めるためには実に最適な形態であったと言えます。「劇団」と称していなかったからこそ、多くの方々と創作をする機会を得、20年間という年月解散することなく続けて来られたのかもしれません。ですが、沢山の人に支えられ活動してきた20年間で<演劇>を取り巻く状況は大きく様変わりし、同様に我々の思考も変化しました。より「過激」に自分たちの理想を追い求めるため、<より自由に><より幅広く>活動を展開していくために、2017年5月、満を持しあえて「劇団」として活動していくこととなりました。現在劇団員は 36 名。演劇を生業としている者から、会社員・主婦・学生・写真家など様々な業種の劇団員が在籍。緩やかに繋がっているような我々なりの新しいカタチを模索します。
さあ、声を合わせて高らかにうたいましょう。日本中を虜にしたあの唄を。■ものがたりリゾート地の裏に密かに佇む小さな美しい村に移り住んできた夫婦。都会の喧騒から逃れるように、病を患っている妻とともに、ひっそりとそこに暮らしはじめた男。 ある日、庭仕事を始めた妻の元にゾンビたちが現われる。 夜な夜なゾンビと会話を交わす妻を心配に思う男。 やがて男にもゾンビたちが見え始める。男はゾンビたちを妻から引き離す
要するに、此の世は女で廻っている。故に男が儚く散れるのだと、あるミツバチは云った。■ものがたり今から二百年ほど前、江戸湾の先の先に名もない小さな孤島があった。海と大地の恵みを受け、島民は豊かではないが幸せな生活を送っていた。ところがある時、江戸の豪商大島屋が孤島から続く遠浅にその財力を使い人口の島を作った。埋め立てて作ったその島に洗剤の工場を建てたのだ。「驚くほど白く落ちる」というその洗剤は江戸を
僕の21歳の時の美意識は 6年後他ならぬ僕自身の手によって根こそぎ汚される…。長塚圭史■ものがたり旗揚げ公演『アジャピートオジョパ』に新たな一本を追加してリメイク。坂の多い町を舞台に三組の男女の恋物語を描く。一組目は子どもができない若い夫婦。ある日夫が家に帰ると、妻が見知らぬ青年を拉致監禁し「自分が生んだ子どもだ」と言い張って育児を始めている。二組目は心と体を傷つけ合いながらも別れられない着ぐるみ
その手紙にはこうあった。三日後に、赤ん坊を殺す。■ものがたり阿佐ヶ谷スパイダース初の男のみの公演は、姉の死の直後、その恋人の男がデリバリーヘルスを呼んでいたことを知った弟の3年に渡る3話構成の復讐劇。1話目は蝉だと言い張って木に貼り付いた男と、彼に住みつかれてしまった刑事との間の奇妙な友情の話。2話目はある誘拐事件を元に慌ただしく捜査を始める、意外に暇な新宿の刑事たちの姿をコミカルに描く。3話目は