舞台は瀬戸内海に浮かぶ塩飽諸島の一つ、みかげ島。時は1983年の春。本州との連絡船かもめ丸の船長をしている頑固親父仙造の夢は、一粒種の息子・竜太が、幼馴染みで器量好しの娘・春江を嫁に貰い、父親の跡を継いで、かもめ丸の船長になってくれることだった。しかし、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋の着工によって、連絡船は廃止の憂き目を見ることになり、しかも竜太は、いつかこの島を抜け出し、アメリカで一旗揚げたいという野心を持っていた。ある晩、竜太は仙造に内緒でそっと島を離れる。あとには悲しみにくれる仙造と、竜太の子どもを身ごもった春江が残された。それから数年、瀬戸大橋は開通し、島の小学校の先生と結婚した春江と娘のいる、この島に、仙造が倒れたという報せを聞いて戻って来た竜太の姿があった。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
作曲家のいずみたくが1977年に創ったミュージカルを専門に上演する劇団。
舞台は1975年、神戸の沖縄料理店「てだのふあ おきなわ亭」。料理店を営む夫婦は親戚を頼り、沖縄から神戸に移住し、そして “ふうちゃん”こと芙由子が生まれた。芙由子の両親は太平洋戦争を沖縄で経験し、沖縄が日本に返還される前に神戸に移ったが、芙由子は神戸で生まれたので沖縄のことはあまり知らなかった。芙由子が六年生になった頃、父が心の病気になった。病気の原因はどうやら沖縄と戦争にあるらしいと芙由子は思
いずみたくが『日本の日本人による日本人のためのミュージカル』として取り組んだ中に、ウィリアム・シェイクスピアの作品がありました。永きにわたり世界中で広く演じられてきた古典の台詞劇を日本人ならではの感性でミュージカルにしたものです。いずみたくが、若かりし頃、共に演劇を作った仲間に、青年劇場の瓜生正美がいます。いずみたくは、瓜生正美が手掛けた青年劇場の作品の多くで音楽を担当しています。「A Midsu
とある⼥性起業家を襲撃し、廃屋へ逃げ込んた敦也、翔太、幸平の3⼈は児童養護施設「丸光園」で育った幼なじみ。3⼈が⼀夜を明かそうと忍び込んだ場所は、かつて店主が悩み相談を請け負うことで知られた雑貨店だった。廃業して何年も経つ店のシャッターの郵便受けから、突然、⼿紙が落ちてくる。その⼿紙は33年前に書かれた悩み相談だった。3⼈は⼾惑いながらも、当時の店主・浪⽮雄治に代わって返事を書くのだが……。次第に
この作品は、灰谷健次郎の「太陽の子」を、2019年にイッツフォーリーズがミュージカル化した作品です。1975年の沖縄と神戸を舞台に小学六年生の“ふうちゃん”の目を通して人々の心の交流を描きます沖縄復帰50周年にあたる2022年。沖縄は問題を抱えたまま、50年という年月のみが過ぎていっています。この節目の年に、「人間の本当の優しさとは何なのか」という、灰谷健次郎が生涯問い続けたテーマを音楽と笑いに包
