都では、朝廷が二つに分かれて争っていた南北朝の頃のお話です。
瀬戸内海の土岐島に、おもんという女の子と八兵衛爺とが暮らしておりました。この爺は、若いころ倭寇として遠く・朝鮮・中国の沿岸で活躍しておりましたが、ある海戦で、瀕死の中国人の女から預かったのが赤ん坊のおもんだったのです。ですから爺やは「おもんのかかやんは、じゅごんになって、西の海へおとうを探しに行っとる」と言いきかせて育てました。
それを固く信じたおもんは、寂しくなると草笛を吹いて母の幻を追い続けました。
ところがある日のことです。
この島に深手を負った南軍の侍がながれつきました。最初に見つけたおもんは、この侍の涼しげな面差しに一目ぼれ。いつもはおもんをいじめる権田・源太・奈々たち、悪ガキ仲間の助けを借りて、この若侍宗春を匿い、介抱します。
しかし、宗春潜入の噂は、この島を支配する北軍の知るところとなりました。実は、宗春は南の朝廷のために、この島に隠されている貴重な黄金仏を手に入れるためにやってきた密使だったのです。
北軍の追及の手は厳しく、宗春は子どもたちに助けられて、島の念仏山に逃れますが、偶然にも、そこで黄金仏を発見するのです。
いよいよ島を脱出。しかし、船に乗ろうとする宗春たちは、追手に進路を阻まれてしまいました。
「うちがあいつらの目を引くけん、その間に、あんやん逃げてしもうて」
おもんは宗春の衣を羽織り、岩の上で必死に笛を吹き続けました。
その時、一本の矢がおもんの背を射抜きました。ああ、おもんが海に落ちていきます。
しかし次の瞬間、人々が目にしたのは、沖合に待つ母親の懐にだきついていくおもんの姿でした。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団うりんこは創立47年の歴史を持つ児童演劇の専門劇団です。
100人の宝物「子どもの頃のすごく嬉しかった思い出、すごく悲しかった思い出」を集め、スウェーデンからやってきた演出家バーント フーグルンド氏と劇団うりんこがステキなお芝居をつくりました。「長い年月生きている人も、子どもたちも同じように人生の宝物を持っている。」というメッセージが届くでしょう!
賢治の作品の中に見られる光と闇。目もくらむ光の乱反射は同様に様々な自然の現象をいろいろな角度から見る自由を保障している。自在さは一種のシュールレアルな要素をも含み、物事を自由な方面から見る視点を持つことによって見る者の立場或いは乱反射するさまを世界観にしていく。賢治と自由に交感し遊ぶ。これが”大運動会”の選手宣誓であろう。
山奥の山奥のお話です。小さな駅から、大きな駅まで、小さな機関車が客車を引っ張って今日も走ります。機関車の部品たち、ノッポのピストン、チビのクランク、おデブの車輪。なんだかんだと、ケンカばかりして機関車も止まってしまいます。空模様がおかしくなってきました。力を合わさなければ・・・。谷底がポッカと大きな口を開けて待ってるぞ・・・。お客も、荷物、自分たちも・・・ほいきた廻せ、ほいきた廻れ、ほいきた走れ、
ともだちの作り方なんて誰もおしえてくれないし、誰とともだちになったら良いのかもわからない。でもともだちと一緒なら嬉しい事は2倍になるし、悲しいことやつらいことは半分ずつ分け合えます。一人じゃ無理だって思えることも、ともだちとなら乗り越えられるかもしれません。3人の出演者が、キツネやオオカミ、ヘビ、テンいろんな動物になって楽しい舞台をつくります。