黒テントの芸術監督であり、テレビドラマのシナリオライターとしても活躍中の山元清多が『籠釣瓶花街酔醒』を題材に、カルロス・サウラ監督、アントニオ・ガデス主演の映画『カルメン』にインスパイアされて描きあげたのがこの『ピカレスク黙阿弥』。
舞台となるのは、現代。とある劇団の稽古場。すべてはそこで行われる稽古として進行するが、芝居なのか稽古(現実)なのか、分かちがたく重なり合っているメタ・シアター形式で物語は進行する。
ある劇団は座長・次郎(男1)を頭に、劇団の機運をかけて現代版『籠釣瓶花街酔醒』(かごつるべさとのえいざめ)に取り組んでいる。
『籠釣瓶花街酔醒』は河竹新七作で明治21年 (1886年) に千歳座 (のちの明治座)で初演された世話物狂言で、享保年間に江戸吉原で野州の 百姓・佐野次郎左衛門が吉原の花を恨んで切り殺した上に多数を殺傷した 「花の吉原百人斬り」を題材にした作品である。
『籠釣瓶花街酔醒』とあまりにも似通っている稽古場の状況。本番に近づき熱が入っていくにつれ、次第にそれが芝居なのか、それとも現実なのか区別がつかなくっていく……。そして、ついには……。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
演出家・俳優の流山児祥が、小劇場の横断的活動を目的として1984年に設立。劇団でありながらプロデュース色の強い公演を行ってきた。2000年からは海外に進出し、近年は台湾の劇団と共同制作を行う等、精力的に活動を続け、国内での公演では、歌舞伎、シェイクスピア、寺山修司や唐十郎のアングラから最前線の劇作家の新作、名古屋や大阪で活躍する才能の発掘、韓国の現代演劇、ブロードウエイ・ミュージカルとジャンルを問わず、果敢に上演している。また、シニア演劇の可能性を広げる活動も続けている。
メルヘンと詩。シュールとエロチシズムと犯罪の少女歌劇。寺山修司の〈幻想音楽劇〉が佐藤信+宇崎竜童+流山児祥の黄金トリオで甦る!小劇場演劇界の最前線を疾走するトップスタアの競演、熱狂のバトル・ロイヤル!!寺山修司七回忌追悼公演。寺山修司が魔術的幻想音楽劇と名付けた『青ひげ公の城』はペローやグリムの童話などで知られる、次々と花嫁を娶っては殺害した青ひげ伝説がモチーフ。そこは今、まさに『青ひげ公の城』と
温泉ドラゴンのシライケイタ:演出による現代韓国傑作戯曲上演シリーズ第一弾。韓国を代表する劇作家:パク・クニョン(劇団コルモッキル)の代表作。『代代孫孫』は、ある一族の物語を、現在から日帝時代まで遡りながら描き出す韓国現代史。シライは韓日を入れ替え、日本は朝鮮の植民地、自衛隊は、べトナム戦争に参戦するという、「あり得たかもしれない歴史=想像力の物語」として、再構築し『代代孫孫2016』を創り上げ、物
2006年、90歳の戌井市郎(文学座代表)を座長に、青年劇場の瓜生正実、本多一夫、岩淵達治、観世栄夫、中村哮夫、肝付兼太といった平均年齢80歳のメンバーで高齢者劇団=パラダイス一座を旗揚げ。美術:妹尾河童、音楽:高橋悠治、宣伝写真:荒木経惟の豪華スタッフ。作:山元清多(黒テント)、演出:流山児祥の劇作は、「七人の侍」の登場人物よろしくの銀行強盗団が繰り広げる荒唐無稽のアクションコメディ。NHK劇場
1980年『月蝕歌劇団』、1981『黄金箱』につづく流山児祥(演出)+高取英(劇作)の戦前派三部作の完結編。昭和15年(1940年)、東京を、怪奇紅マントの噂が席巻した。「婦女子を誘拐し凌辱する」紅マントの噂とはいったい何だったのか?日中戦争(支那事変)から太平洋戦争(大東亜戦争)へとうつりゆく戦争下、当局は、紙芝居「紅マント」を弾圧、焼却した。燃えていく紙芝居は、紅マントの噂を消滅させたというよ
