1903年大阪万博で起こった学術「人類館」事件をモチーフに、沖縄近現代史が描かれている。しかし、歴史の流れをそのまま反映したのではなく、時間と空間が交錯する中で、沖縄戦やベトナム戦、そして復帰運動など沖縄を取り巻く出来事がダイナミックに描かれている。反植民地主義・反戦劇。戯曲「人類館」は、二つの構造を持っている。人類館を起点として、そこでまき起る、もしくはまき返される幻想(回想)シーンの、恣意的、無差別的濫乱と、「人類館」という名の見世物小屋の中で展開する、調教師風の男と展示される男女のリハビリテーション(社会復帰訓練)としてのお芝居ごっこである。この両者を、同時並行的に推し進めることによって、沖縄の近(現)代史の暗部が浮きぼりにされ、それらは、やがて一つの接点を見つけ出す。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団レクラム舎は1976年、作・小松幹生 演出・赤石武生による「雨のワンマンカー」によって旗揚げ公演を行いました。以降2023年現在まで、断続的に公演を続けております。
私たちは、現代日本の姿、形を演劇的アプローチによって表現してきました。小松幹生、別役実、清水邦夫、ちねんせいしん、安部公房等日本を代表する劇作家の作品と共に、チェーホフ、イヨネスコ、テネシーウイリアムズ、エドワードオルビー、アラバール等の作品。又現在では、星新一、西部邁、松谷みよ子、太宰治、芥川龍之介等の作品を演劇化し、高い評価を得ております。劇団内の作家、喜一朗作品も1994年から上演しており、2008年新作「S町の物語」を上演いたしました。
私たちは、現代社会に生きる人間の心の問題を、演劇という表現を通して具現化し、広く、生活する人たちに向けて、問いかけ続けようと考えています。