『「さ迷える愛・序破急」三部作』
『「さ迷える愛・序破急」三部作』
2018年に初演された、「さ迷える愛・序破急」三部作の第一作『翠晶の城』は、自己の要塞化にも他者との開かれた関係性にもつながるメタファーとしての「城」をモチーフにした作品。エキストラ出演者5名が参加。
主宰・金滿里により1983年に大阪を拠点に創設され、身体障害者にしか演じられない身体表現を追究するパフォーマンスグループ。
「身体障害者の障害じたいを表現力に転じ未踏の美を創り出すことができる」という着想に基づき、一貫し作・演出・芸術監督を金滿里が担い、自身もパフォーマーとして出演する。金滿里自身もポリオの重度身体障害者である。
主宰の金滿里が、「7・26 相模原やまゆり園19名障碍者大虐殺事件」をきっかけに、自らの障碍児収容施設での体験をもとにして生み出した作品。障碍者施設の孤独と恐怖の象徴である「アボタカの足」が、閉じ込められた空間から脱走し、太古の森へとに逃げ出す様を描くことで、生き方に「生産性」のタガをはめてくる世の中に対し、身体表現をもって、答えを提示している。
金滿里初めてのソロ作品。韓国古典芸能の大家であった亡き母への思慕と母からの魂の継承を象徴的な舞いに込めた身体表現作品です。大野一雄氏の代表作に「わたしのお母さん」がありますが、「女の側からの『わたしのお母さん』を創りましょう」ということで、大野一雄氏・大野慶人氏に監修を快諾いただき創り上げました。
生野に家がありながら、そこから遠く離れた病院、施設で育つことを余儀なくされ、地域から消された金満里。自立生活を始めいろいろなひとと出会う中で、もう一度生野と向き合う必要が自然な道として現れた。在日朝鮮のるつぼの中に障害者の爆弾を打ちこんだ先に何が生まれてくるのか。エキサイティングな気分と共に制作された作品。
人々の喜びや哀しみ、そして生きる権利を歌い、世界から愛されたチリのアーティスト、ビクトル・ハラ。巨大な暴力に抗しない強い意志で、勇気と希望を歌い続け、1973年のクーデターにより虐殺された。民衆の生きる力と普遍的な魂。彼が伝えたものは何だったのか。同じ芸術家として、この問いにビクトル・ハラの名曲「La Partida」のライブ演奏を背に、地域から這い出てきた公募障害者エキストラの面々と共に取り組み