主宰・金滿里により1983年に大阪を拠点に創設され、身体障害者にしか演じられない身体表現を追究するパフォーマンスグループ。
「身体障害者の障害じたいを表現力に転じ未踏の美を創り出すことができる」という着想に基づき、一貫し作・演出・芸術監督を金滿里が担い、自身もパフォーマーとして出演する。金滿里自身もポリオの重度身体障害者である。
態変旗揚げ作品。とかく世に否定される障害者は、自らに目覚めようとしたときから強烈な自己肯定と自己主張なしにはやってこれなかった。「障害者で何が悪い」と自らの<肉体>に伴う特有の格好、話し方、生活様式そのものを肯定する作業。これは障害者にしかできない自由な発想でなされていいはずだ。障害者が行う肉体表現として、芝居はいい方法ではないか。この初めての試みに人々を巻き込み、態変は劇的なデビューを果たした。
1994年5月に続く2度目の劇団態変&大野一雄の顔合わせ。1部が劇団態変による『霊舞』(作・演出:金満里)、2部に大野一雄・大野慶人による舞踏、3部が大野一雄・慶人と劇団態変のコラボレーション。
金滿里初めてのソロ作品。韓国古典芸能の大家であった亡き母への思慕と母からの魂の継承を象徴的な舞いに込めた身体表現作品です。大野一雄氏の代表作に「わたしのお母さん」がありますが、「女の側からの『わたしのお母さん』を創りましょう」ということで、大野一雄氏・大野慶人氏に監修を快諾いただき創り上げました。
生野に家がありながら、そこから遠く離れた病院、施設で育つことを余儀なくされ、地域から消された金満里。自立生活を始めいろいろなひとと出会う中で、もう一度生野と向き合う必要が自然な道として現れた。在日朝鮮のるつぼの中に障害者の爆弾を打ちこんだ先に何が生まれてくるのか。エキサイティングな気分と共に制作された作品。
障害者の劇団として旗揚げした態変がそれまでの作風を脱して派手な衣装やセリフを一切なくし、役者の体の動きだけで展開する新たな表現を生み出した作品。舞台では宮島一郎の墨書とレオタードがあらわにする障害者の動きを照明が追い、紙や布といった無機物、そして光と影とのダイナミックなセッションが繰り広げられる。テーマは自らの心の解放と宇宙との一体化。
行政の不手際で若干30歳で非業の死をとげた役者ゲリラ・クヨクヨの追悼公演
障害者を解放する岩戸を開く鍵となるであろう、健全者の管理下に置かれ、人間性を奪われた生活の中にある障害者施設の日常生活に素材を求め、障害者の自立とは何かを問う作品。
主宰の金滿里が、「7・26 相模原やまゆり園19名障碍者大虐殺事件」をきっかけに、自らの障碍児収容施設での体験をもとにして生み出した作品。障碍者施設の孤独と恐怖の象徴である「アボタカの足」が、閉じ込められた空間から脱走し、太古の森へとに逃げ出す様を描くことで、生き方に「生産性」のタガをはめてくる世の中に対し、身体表現をもって、答えを提示している。
1996年8月に、エジンバラ・フリンジ・フェスティバルにて初演。「全くビリビリとしびれるような感動にみまわれる」(The Stage紙)「身体の動きというものの美しさ、意味深長さを教えられる。」(The Scotsman紙) 等の絶賛を受けました。その後、更に練り上げ深めつつ、国内各地で上演を重ねた劇団態変の自信作です。
白い巨大な球体を囲む円形の舞台で、水に渇きを癒され、水で汚れを清め、愉快な宴会に興じる者たち。やがて旱魃がやってきて、雨乞いの踊りを捧げる。すると球体のてっぺんから水が吹き上がり慈雨となって降り注ぐ。歓喜した群衆は、しかし恵みをもたらしてくれた球体をバリバリと破壊してしまう。
ナミビアの砂漠で海霧だけを糧に千年も生き二枚だけの葉がのたくり伸び続けるという植物ウェルウィッチア・ミラビリス(和名・奇想天外)に想を得た抽象作品。過酷な環境にじっと耐えてまどろむウェルウィッチアは夢の中で花から産まれ宇宙の卵の中で遊び深い密林をさまよい、そして火と水を掲げ持ち、通り過ぎていった命たちを追慕する。
人々の喜びや哀しみ、そして生きる権利を歌い、世界から愛されたチリのアーティスト、ビクトル・ハラ。巨大な暴力に抗しない強い意志で、勇気と希望を歌い続け、1973年のクーデターにより虐殺された。民衆の生きる力と普遍的な魂。彼が伝えたものは何だったのか。同じ芸術家として、この問いにビクトル・ハラの名曲「La Partida」のライブ演奏を背に、地域から這い出てきた公募障害者エキストラの面々と共に取り組み
『「さ迷える愛・序破急」三部作』
コロナ禍の中で三度の延期を経て、今年11月に初演された「さ迷える愛・序破急」三部作の完結編『心と地』の舞台はなんと宇宙。発達し続ける資本主義と強化される管理社会の行く末を問うSF作品です。
『「さ迷える愛・序破急」三部作』
2018年に初演された、「さ迷える愛・序破急」三部作の第一作『翠晶の城』は、自己の要塞化にも他者との開かれた関係性にもつながるメタファーとしての「城」をモチーフにした作品。エキストラ出演者5名が参加。
『「さ迷える愛・序破急」三部作』
2019年に初演され、TPAM2020でも上演された「さ迷える愛・序破急」第二作『箱庭弁当』は、クレズマー音楽のライブ演奏の中、捨てられた弁当の具が旅に出て様々な他者と出会うユーモラスなファンタジー。