52ヘルツのうた
泡ぶくと奏で
ゆらゆらと目を閉じて沈む
彷徨いながら差し出す
今日も触角のような手
鯨の唄に耳を傾け アスファルトを叩く
「52ヘルツの周波数で鳴く、世界唯一の個体と言われる鯨(実話)」をテーマに、現代社会が抱える孤独や不安を、鯨の届かない声と重ね合わせ、身体表現・美術を交え上演しました。
タイトル”52ヘルツのうた”とは、1989年にアメリカ、ウッズホール海洋研究所の科学者達が初めて52ヘルツのクジラの鳴き声を発見してから、色々な場所で観測されてきた、非常に珍しい高周波数で鳴く、世界で唯一の個体の鯨の声のことであります。
その鯨は世界一孤独な哺乳類と言われ、さまざまな憶測をよんできました。
その声は他の鯨には届かない 当然、答えもない
世界一孤独な鯨、、、
その姿は孤独なのだろうか
私たちは自分と重ね合わせ、可哀想な自分に陶酔するのでしょうか
はたまた同情し、どこかで自分はましだと、
いっときの偽善と優越感を得るのでしょうか
つまり、それをどう解釈するかは人間側のエゴである ー作品メモよりー
2020年、イスラエルのプロダンスカンパニー”MARIA KONG”から帰国した井田亜彩実が”Arche”をカンパニーとして旗揚げ。
これまで穂の国豊橋芸術劇場レジデンスアーティストとして招聘や、神奈川県と共催するなど多数の企画、公演に参加。
横浜ダンスコレクション2021にて審査員奨励賞受賞。
地方のダンス活性化にも力を入れ、東京と長野にて毎年主催公演を行い、好評を博す。