「表現の自由」という権利の重要さ、尊さを改めて認識してもらい、これらを抑圧しようとする、ネットやメディア等の「現代の検閲」のについて、当事者意識や必然性などを考察し、表現を規制し抑圧する正当性が本当にあるのか否かを観客に問いかけることで、表現活動への理解を深めることを目標とした。観客の芸術表現についての思想の成熟を促すことを目指し、全ての芸術表現への理解度を深める機会となることを目指し企画された。
現代社会が抱える問題等を取り入れた、骨太な物語を主に上演し、観る者の魂を揺さぶる重厚な人間ドラマを中心に描いている。また誰にでも楽しめる作品を前提とした上で、長い上演時間や、床面まで変えてしまう場面転換、笑いの要素を一切排除する手法など、現行の演劇制作からはタブーとされる条件を内包しながら「演劇の未来」「可能性」を模索することに挑戦し続けている。
その飽くなき探究心と日々の研究に裏打ちされた他に類を見ない確かな舞台表現は、圧倒的な価値観をもって、演劇ファンだけでなく、多くの同業者や業界関係者からの熱い支持を集めている。
九州の田舎町。建設業を営む「岡本一族」の繁栄から没落までの、昭和から平成へかけて激動の 10 年間を描き、地域住民の現実と、生きる意味とは何かを問う壮大な人間ドラマ。戦後の世の中を激しく生き抜いて来た一族の落ちぶれてゆく様は、まるで潮の満ち引きの水面のように、静かに、ひたひたと、上がっては、下がってゆく……。
ある出入国在留管理局で、外国人が死亡した……。留学生であった彼女は、体調不良になり仮放免による外部の医療機関への診療を求めていた……。何故、彼女は入管内の医療機関で診療されたのか。入管内部の実態に、ある記者が迫る……。
「2011年の日本を映し出す鏡」と評されるなど、東日本大震災による被災地の状況や、原子力発電に依存し続ける我が国が抱えるエネルギー問題に対し、正面から向き合った作品。
TRASHMASTERS vol.35
とある町。原発の産業廃棄物受け入れによる交付金で図書館や劇場など公的機関の建設を目論む首長は、受け入れに対する反対勢力との会合に参加した。会合は互いに相容れず散会に終わる。やがて、産廃を受け入れて町興しをしようとする市長側と、反対勢力の間で町が二分する……。震災から10年が経ち、東北では原発が再稼働するという。これは幸福か、それとも……。狂おしいほどに駆け引きが横行する町に未来はあるのか……。