ウィリアム・シェイクスピアの『夏の夜の夢』は、世界中で様々な形で上演され、映画、絵本、ダンス、オペラ、音楽にも翻案されてきた。魅力的な登場人物たちが織りなすユーモラスなファンタジードラマ。
串田和美はこれまで同作の演出を1979年、94年、2005年と三度手がけてきたが、
今回は出自の全く異なる8 人の俳優だけで、
独特の発想で偉大なる原作の中に入り込み、解体し、
見知らぬ、或いは極く身近な人類が共有する夢と捉え、
21 世紀の我々の世界を見据える。
シェイクスピアは「私たちの同時代人」であるだけでなく、まさに時代の預言者。串田和美の表現は、その紛れもない証拠となっている。
俳優・演出家・舞台美術家の串田和美は、俳優座養成所で学び文学座に1年在籍後、1966年劇団・自由劇場を結成(75年オンシアター自由劇場と改名、96年解散)。85年〜96年Bunkamuraシアターコクーン、2003年〜23年まつもと市民芸術館の初代芸術監督を歴任。代表作に音楽劇「上海バンスキング」「もっと泣いてよフラッパー」、「スカパン」など。18世中村勘三郎と組みコクーン歌舞伎や平成中村座で「夏祭浪花鑑」「法界坊」「三人吉三」など多数演出。シェイクスピアやサーカスも多く手がける。23年10月、自身や演劇を捉え直し探求していく演劇創造カンパニー・フライングシアター自由劇場を新たに立ち上げる。