「ともにゃの部屋」は、世田谷パブリックシアターが、区内在住の障害当事者の方へのインタビューから立ち上げた演劇シリーズです。もともとは下馬地区の住民に向けた屋外のお祭りで上演していましたが、シアタートラムでの上演に合わせて創作しなおしたのが本作品です。黒田真史さんは18歳での交通事故で脳が飛び出るほどの損傷を負いました。動かせるのは、たった一本の親指という絶望の淵から、今の生活を獲得するまでの人生を描いています。
世田谷パブリックシアターは、現代演劇と舞踊を中心とする専門的な作品創造・上演活動と、市民の自由な創作や参加体験活動を通し、新しい舞台芸術の可能性を探る劇場です。東京・三軒茶屋駅前のランドマーク、キャロットタワーの中にあり、主劇場・世田谷パブリックシアターと小劇場・シアタートラムの2つの劇場のほか、稽古場や作業場、音響スタジオなど「舞台作品創造」のためのさまざまなスペースが用意されています。
集落の神社に、神主の家族である矢口が訪れる。矢口はそこで、社に住みつく山田という男に出会う。そこに村の再開発を計画する業者の橋本と、その為の調査を請け負った地質学者の曽我が現れる。山田も橋本も、かつての神主である矢口の父親を知っていた。ガスの流れに足止めされた三人に、山田は物語を語り始める。社の周りには、口を利かない浮浪者の様な者がうろついていた。彼らは自らの死を自覚できない亡霊ではないかと、山田
地域の物語2023
『地域の物語』は、世田谷パブリックシアターによる、ワークショップを通じて参加者たちが演劇づくりに取り組むプロジェクト。今回は「看取り」をテーマに、「えんげきコース」「からだコース」の2つを設定しました。「えんげきコース」では、新しい試みとして表現の一つに歌を取り入れました。参加者は看取りについて合同詩や個別の歌詞を作成後、作曲を依頼。歌の練習や体験の共有からの演劇づくりを重ね、看取りの物語をつくり
物語の舞台は絶海の孤島。飲むと永遠の命を得ることができるという“不老長寿の泉”を巡り、その泉の守り役の鷹姫、何十年もの間、泉から湧く水を待ち続ける老人、そして、新たに水を求めに来た若き王子・空賦麟(くうふりん)、それぞれの水を求める苦悩を嘆き謡う…。今から100年以上も前、ノーベル文学賞を受賞したアイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イェイツは能の世界に影響を受け、劇作品『鷹の井戸』を執筆しまし
英国の劇団コンプリシテの芸術監督・演出家・俳優であるサイモン・マクバーニーの脚色・演出作品。日本人俳優と98年から6年間にわたってロンドンと東京で行ったワークショップを基に作品化した。最終的に、村上春樹短編集(「象の消滅」英語版)所収の「象の消滅」「パン屋再襲撃」「眠り」の3つの短編小説を触媒に、舞台上での同時収録の映像を駆使した新しい感覚の作品となている。2004年の再演の際は、東京、ロンドン、