Don't cry boy
Don't cry boy
村々を繋ぐ、ひくく小さな山の連なり
北厳の四季に、悲哀を満たして
石狩の水が流れていた。―チラシより
五井輝の生まれ育った家からは、石狩川を挟んで向こうに音江山が見えた。標高730mの平べったい山は、沖里河山・無名山と共に音江連山として地元では親しまれている。
1945年生まれ。1966年より10年間の東京創作舞踊団での活動を経て、舞人・五井輝を名乗り、舞踏家として活動。故郷・北海道の厳しい自然を原風景とした創作活動を展開した。1983年には、毎月一回続けられた小ソロ公演「納屋」シリーズ等がモダン・ダンス界からも舞踏界からも評価され、舞踊批評家協会賞を受賞。2004年度にも同賞を受賞している。代表作に「小懺悔」「墨鯨」など。2008年に死去。
舞人として踊った五井輝が、前年の86年1月に死去した土方巽を追悼した公演。土方を思い出させる赤いスカートなどの衣装や音、音楽が随所に使われた。唇にはルージュを塗りたくり、背中一面に刻まれた風神雷神の入墨を見せ、剣山を自らの肉体に刺す。すべてをさらけ出して極度の集中をもって踊る五井に、「さながら土方の魂が降りたかのようだった」とThe Japan Times Weeklyのレビュー記事(1987年9
2008年5月に死去した五井輝の遺作。白い石をいくつもいくつも荷車に積み曳いてゆく姿が印象を残した。チラシには、「Don't cry boy- Last round」とある。