あんず動物紀 [Anzu’ology] Ⅰ
あんず動物紀 [Anzu’ology] Ⅰ
「あんず動物紀」シリーズ第一弾。他にも虫やワニなどが取り上げられることとなるこのシリーズでは、「この世とあの世の混沌とした暗い記憶から呼び覚まされる」動物たちの声を作品化している。1987年フライブルク(ドイツ)にて初演。
ー若者の窮極の目的地は やはり
あの居心地のよい火の焚かれた部屋。
まっ先に飛んできた犬。
窓の中には案外な偽善者。ー
舞踏家・振付家・演出家。74年から78年まで大駱駝艦に参加、75年には同門の田村哲郎と「ダンス・ラヴ・マシーン」を結成、86年まで共に活動した。81年に開講した「ダンス杏スクール」は、第一期から第五期まで断続的に東京やベルリンで開催され、伊藤キムなど力のあるダンサーを輩出した。89年、多国籍のダンサー達と「ダンスバターTokio」を設立、『中国の探偵』を発表。91年にベルリンに移住し、97年までブラウンシュヴァイク教育美術大学で教鞭をとった。ヘルシンキ市立ダンス・カンパニーに振付けるなど、フィンランドのダンサーにも多大な影響を与えた。2001年10月、ベルリンにて死去。
戦争の惨禍を通し人間の悲喜劇を描いたゴヤの版画から着想を得た「サイレント・オペラ」。ヒトラー政権下のユダヤ人迫害を題材に作曲されたライヒの「Different Trains」が使用され、踊り手達は椅子に縛られたままで、運命は変えられないことを暗示する。終わらない惨劇に目を向けるためにも、こういう作品が必要だと古川が指摘している。Act 1:朝(使用曲:スティーヴ・ライヒ「Different Tra
音楽の贈り物(ポトラッチ)
1985年3月から渋谷ジャンジャンにて行われたシリーズ「音楽の贈り物(ポトラッチ)」の最終回。シリーズ中唯一の邦楽と古川との競演。日本のパコ・デ・ルシア、杵屋弥十介との丁々発止なやり取りが観客の笑いを誘う。長唄「安達ヶ原」の鬼の宿を「変な宿屋」にみたて、全体が宿屋の出来事として構成されている。プログラム1.あけましておめでとう(「三番叟」)2.となりの部屋(弥十介・あんず芸合戦)3.宿屋の秘密(長
世界ダンス体系Ⅱ
「1933年には、キング・コングは男性原理を象徴するものだった。半世紀後の今日では、それは、富の力の前に敗れ去ろうとする、全世界の「土」と「水」と「誇り」の象徴となった。今こそ、愛の不可能性に傷ついたキング・コングに、優しいエールを贈る時だ。まだ、まにあうだろうか。」ー古川あんず(プログラム解題より)プログラム:Act1.歯磨き夫人と宿六 / Act2.何処へ / Act3.濡衣 / Act4.神
1986年にベルリンで開催されたヨーロッパ初の舞踏フェスティバル(主催:キュンストラーハウス・ベタニエン)への参加を控えた古川あんずのベルリン・フェス招聘記念公演。古川がベルリンに移住し、ブラウンシュヴァイク教育美術大学で教えるようになるのは、この5年後の1991年のことである。