大森政秀舞踏儀 アンモナイトの爪-Ⅳ
大森政秀舞踏儀 アンモナイトの爪-Ⅳ
「大森政秀舞踏儀 アンモナイトの爪」の第4回公演。北海道の炭鉱町で生まれた大森が、幼少時に野原で群生する「スカンポ」を食べたときを思い起こし、常に存在しながらも無用で無名のままの肉体を発見しようとした作品。状況劇場役者、天竺五郎と土方巽の「四季のための二十七晩」出演者、時計(ときけい)が飛び入りで登場するが、これはまったくのハプニングだった。終盤で「大森さん、いいぞ」と声をかけたのは女優の中島葵。終演後の会場風景には、大野一雄、土方巽、合田成男、長尾一雄、池宮信夫、ジャン・カルマン等の姿が見られ。当時の舞踏公演の雰囲気をよく伝えている映像である。
1981年に設立された東京都中野区にある多目的スペース。演劇もダンスも上演されるが、なかでも舞踏公演は数多く、「知られざる才能の鉱脈に、新しい鶴嘴を打つもの達の知られざる未来の為に…。」、1985年から「舞踏新人シリーズ」を続けている。「テルプシコール」はギリシア神話の合唱隊の叙情詩と舞踊を司る女神で、舞踊批評家の市川雅が命名した。