世界中で愛され続けるチェーホフの名作を、SPAC-静岡県舞台芸術センターとフランス国立演劇センター・ジュヌヴィリエ劇場のコラボレーションとして、フランス人演出家ダニエル・ジャンヌトーが厳選した日仏俳優による⽇本語とフランス語が⾶び交うまったく新しいチェーホフの劇世界に仕立てた本作。
ジャンヌトーは、新型コロナウイルスや地球規模の災害などによって、⼤きな変化の時期を迎えている現在を重ね、⽬の前に横たわる悲劇的な状況を乗り越えようと必死な登場⼈物たちの姿を通して、世界が希望を持って歩み出すためのメッセージを込めた。
また、主⼈公の屋敷に集う⼈々のどこか噛み合わない会話は、⽇本語とフランス語で交わされることで「分かり合えなさ」を表⾯化すると同時に、⾔語を超えた「理解」にも光を当てる。異なる⽂化に⽣きるアーティストたちの共同作業によってこそ⽣まれる新しいチェーホフ劇、チェーホフが巧みに散りばめた軽快なユーモアに、ぜひご注⽬ください。
本作は令和3年度国際交流基金舞台芸術国際共同制作事業として制作されました。
専用の劇場や稽古場を拠点として、俳優、舞台技術・制作スタッフが活動を行う日本で初めての公立文化事業集団。舞台芸術作品の創造・上演とともに、優れた舞台芸術の紹介や舞台芸術家の育成を目的とする。2007年に宮城聰が2代目芸術総監督に就任以来、より多彩な舞台芸術作品の創造や国際演劇祭の開催とともに、教育機関としての公共劇場のあり方を重視し、中高生鑑賞事業公演や人材育成、アウトリーチ活動などを展開。
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『ボレロとヴァリエーション』は、1995年に初演された作品『ボレロ』を母胎としている。一組の男と女をつなぎ止め、あるいは突き放す時の流れに、ラヴェルの音楽「ボレロ」から聴きとった「いのちの絶えざるクレッシェンド」を畳みこんだ『ボレロ』。『ボレロとヴァリエーション』は、この『ボレロ』を踊るダンサーの実人生と『ボレロ』という舞台上の虚構の世界とが融合と離反を繰り返しながら、ゆるやかに進行していく。SP
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