※音楽利用の都合上、9:05~18:40は無音にしております。
本作は、ろう者と聴者が協働する劇団カオニャオ(ラオス)とデフ・パペットシアター・ひとみ(日本)が、柔軟な発想と構成で新しい空間を生み出す振付家・演出家の白神ももこ(モモンガコンプレックス主宰)を迎え、人形とモノと身体による新しい創造を目指した国際共同制作作品。
2018年から交流を深めてきた2劇団に、本年初めて白神氏が加わり、ラオスでの5日間のリサーチと、日本での13日間の共同ワークショップを経て、東京でワークインプログレス成果発表公演として発表された。
ラオスで現地の生活文化、精神性に触れるところからスタートした本プロジェクト。日本でのクリエイションでは、両者がそれぞれが持ち寄った素材や道具で人形(オブジェ)を構成し、あるいは素材そのものに命を感じ取りながら創作した。オブジェクトと空間、または身体との関わりを探求し、日本とラオスの創造におけるアプローチの違いをそのままに、実験的な形で公演を行った。
本作は令和5年度国際交流基金舞台芸術国際共同制作事業として制作されました。
<デフ・パぺットシアター・ひとみ>
1980年、現代人形劇センター内に結成される。ろう者と聴者が協働し、ろう者の豊かな感性を得て新しい人形劇の創造をめざしてきた。作品の特色は、音声言語に頼らず、遣い手の身体も駆使した視覚的な表現にある。また音楽に関しても、聴こえない人も体感し、見て楽しめるように、民族楽器や、手作り楽器を多用した音作りにも特色がある。 世界でも珍しい職業劇団として、結成以来全国650地域、3000ステージの上演を行っており、観客対象も子どもから大人まで幅広い。 また、セリフの少ない視覚的舞台は、世界から注目され、アジアからヨーロッパまで各地で公演を行ってきた。
<劇団カオニャオ>主宰/ラタナコーン・インシシェンマイ
ラオス国立人形劇場から若手が独立して結成。豊かな自然や生活の中の素材によってラオスの精神世界を描く、独創的な作品が世界的に評価され、アジアやヨーロッパの劇団との共同制作も数多い。2016年からろう者が参加。主宰者のラタナコーン・インシシエンマイが、今回は出演に加え演出も手がける。
<白神 ももこ> 振付家・演出家・ダンサー
ダンス・パフォーマンス的グループ「モモンガ・コンプレックス」主宰。
モモンガ・コンプレックスでは全作品の構成・振付・演出を担当。無意味・無駄を積極的に取り入れユニークな空間を醸し出す作風には定評がある。
2011年より富士見市民文化会館キラリ☆ふじみのアソシエイトアーティストとなり、2018年3月日本・タイ共同制作『หลังเขาランカオ~私たちの森』を上演。その他、2022年3月デフ・パペットシアター・ひとみ『百物語』を構成・演出するなどジャンルを越えた活動をしている。
2017―2018年度セゾン文化財団ジュニアフェロー
2019年より埼玉県富士見市民文化会館キラリ☆ふじみの芸術監督を務める。