賢愚いかなる王の下でも忠実なる僕として、
この国を縁の下で支え続け、
歴史の表舞台には登場せずとも不気味に栄え続ける一族小野氏。
小野妹子小野ヨーコ小野ヤスシ小野伸二小野ののか…
そして「野狂(やきょう)」と呼ばれ、
ついに生死の境を越えた地獄の魔人小野篁(たかむら)。
その孫にして絶世の狂女小野小町は野に下り、
秘密の花園にて、恐ろしき時空召喚の禁術に手を染める。
1990年、早稲田大学演劇サークル「演劇倶楽部」のメンバーであった 松村武、八嶋智人、吉田晋一ら5名で旗揚げ。
以来、主宰の松村武が全作品の作・演出を担当。
八嶋智人、山崎樹範ら映像でも活躍する個性的な役者が揃う。
ハイテンションでテンポのよい笑いで壮大な物語へと観客を連れ去る独特の作風と、演劇ならではの表現にこだわったダイナミックな演出に定評がある。
頭一つに顔二つ。四本腕に刀を掲げ、足に膝裏、踵なし。岐阜県は飛騨の山奥に伝わる怪物、両面宿儺(りょうめんすくな)。あの日の国技館から遡り、古代の大陸より続く取っ組み合いの歴史は波乱万丈奇々怪々。がっぷり四つで対しながら何とか乗り越えてきやがった、あれご覧、まさに怪物たちの足跡を!あいつと俺。あの子とあたし。真っ赤な頬っぺたの、君と僕。
時間に打ち捨てられた湖畔の劇場は今や無人の廃墟。のはずが、何かが中で蠢いている。貝殻がうず高く積まれた山から異臭が漂う。真夜中に群れる真っ黒な浮浪者の影。彼らはヤチマタの境を越えてやってくる。魔人猿田彦が巡回する半透明有刺鉄線の柵を隔て、ヒラフ貝の吐息が織りなす脆弱な虚構の物語と、荒野をさすらう流賊達の無頼な生き様が、渦を巻いて混ざり合い、警告の鐘を奏で、やがて湖底の怪物の目を覚ましてしまう。
歌うことだけが役割のカナリヤのような男が王座にいる。そんな彼が、来るべき万国博覧会において、その物語を客寄せの目玉として劇に仕立てる為、インタビューにて「父の物語」を語り始める。“かむやらい” …ひしめく八百万の神を彼方へやらい、神をふるいにかけようとした父と子。 今日もまた、万博の人混みに紛れて、少女の影が一人一人と隠される。
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