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世紀を隔ててなお人類を震撼させる核の恐怖を真のあたりに感じることになった3/11にインスピレーションを受け、マイケル・マゼドンの『100000万年後の未来』をサブテキストに、地球的時間のスパンで人類の進化と現在、そして核と抜き差しならない関係を結んでしまっている人類の困難を描く。更に三好達治、茨木のり子の詩を引用。
演劇計画Ⅱ-戯曲創作- 柳沼昭徳 作・演出
彼は闇の中、その者たちと共に高みに向かった。標高なのか、名誉なのか、精神なのか、そこに待っている高みがどのような類のものなのか、彼自身興味は失せていた。立ち止まり、黙々と進む人々の行列を眺め、感慨深くため息をついた。そしてかつての孤独と不安に思いをはせて、実は、この連帯こそが達すべき目的だったのかもしれない、そんな気分にもなった。けれど、体の震えも止まなければ、たずさえた骨も鳴きつづけていた。空が
とある大学の解剖棟の地下の旧校舎と新校舎をつなぐ一本の連絡通路が舞台。そこに派遣アルバイトのアプリの指示で、深夜の大学にやってきた3人の女性。それとバイトで呼ばれた医学部生の2人。そのバイト内容は48体の研究用の献体(死体)を、旧校舎から新校舎へひたすら移動させることで。深夜にひたすら献体を運ぶ5人。そんな中、派遣アルバイトの1人が、献体が動いたのを目撃する。
失うことが進化だとすれば、僕たちはこれからもどんどん失うだろう。どんどん失って、いつかすぽんと消えてしまう。失ってゆく、というのはどういう感覚なんだろう。失いつつあるそのさなか、ひとはなにを思うのだろう。忘れることと失うことはいったいどのくらい違うのだろう。僕は毎晩僕の尾骶骨に問いかける。ちいさな骨が寄り添うように集まった、その名残の部分に問いかける—— ひとりの男とその妻、女、
合皮のパンプスを穿いたOLの「私」は、出どころのよくわからない噂に翻弄され、夜な夜な本革のパンプスを探し求めて路地裏を歩いている。路地裏を介し、デフォルメされた同じ職場の男性社員、もう一人の「私」、胸から巨根の生えたおじさん、靴商人など、正体のわからない怪しい登場人物たちと出会う。混沌とした現代社会での「生命」描いた、男女二人芝居。第61回岸田國士戯曲賞最終候補。
2016 年日本社会に衝撃を与えた知的障害者を狙った大量殺人事件から作者が感じたことを出発に創作された。優生思想、老い、をテーマに現代社会の価値基準を問う批評性を持った作品。タイトルの「妖精」は「みえないもの」の隠喩。社会のなかでみえないようにされているものついての問題集である。一部は落語、二部は音楽、三部はセミナー、とそれぞれ異なったスタイルの三部から構成され、主に一人の俳優によって演じられる。
琵琶湖では外来魚による固有種の生態系破壊が問題となっており、琵琶湖では外来魚のリリースは禁止され、湖周辺の釣りスポットに「外来魚回収BOX」なるゴミ箱が設置されている。しかし、釣り人の3割はこのBOXを生き物の命を粗末にする行為だと反対し、外来魚を湖に戻している。現地での取材を通じて、固有/外来/生命/生態系の対立を見つめ、両立を探った作品である。