2002年、ひとりの母親(オンナ)が仁義なき戦いで咲き乱れる!■ものがたり貧しくもしたたかに生きる母と高校生の娘、父親代わりと母子家庭に居候している性的に不能で無職の男。キリスト教信者の母は娘を神の子と呼び愛情を注ぐが、母に反発する娘はチンピラと家を出てしまう。一人残された彼女を支えようとするやくざ男と勤務先の店長。しかし彼女への思いの強さが周囲に悪影響を及ぼし始め、人々を狂信的な行動へと走らせる
要するに、此の世は女で廻っている。故に男が儚く散れるのだと、あるミツバチは云った。■ものがたり今から二百年ほど前、江戸湾の先の先に名もない小さな孤島があった。海と大地の恵みを受け、島民は豊かではないが幸せな生活を送っていた。ところがある時、江戸の豪商大島屋が孤島から続く遠浅にその財力を使い人口の島を作った。埋め立てて作ったその島に洗剤の工場を建てたのだ。「驚くほど白く落ちる」というその洗剤は江戸を
物語は2001年から始まる。アマチュア天文家の二階堂と山田は、近所の山に落ちた隕石の破片を拾う。その隕石は、見る者に恐ろしいほどの幸福感をもたらす。一度目にしたら夢中になり、思考を奪い、目をそらすことができない隕石。その後、あらゆる都市に巨大な柱が降り注いだ。それは人々にあきれるほどの祝福を与え、静寂のうちに支配した。世界は大きく変わり、長い時間が経った今も、柱は人の生活を寄せ付けない。柱は人間に
「……がさつだったが、物事すべて明るく輝いていたあの時代。物資は乏しかったがお互いの間に優しさが満ち溢れていたあの創世期。お腹には何も入っていなかったが、胸にはちきれそうな、理想と希望があったあの頃。」──あの『キャッツ』がロンドンで誕生する十年前に、井上ひさしが世に送り出した、ネコだけが主役のミュージカル『十一ぴきのねこ』。現代演劇を牽引する長塚圭史が、この作品で井上戯曲を初演出にして初ミュージ
ラサール石井脚本・監修コント
一揆が勃興する室町時代から戦国、江戸、明治、大正、昭和、平成まで、500年の時代をかける大河物語。一揆に立ち上がり権力に抗うも、宿命に弄ばれてゆく男とその子孫の悲哀に満ちた苦労の日々をダイナミックに描く。1997年こまばアゴラ劇場での初演から、2000年ザ・スズナリ、2007年シアタートラム、2016年すみだパークスタジオ倉と再演を重ねた人気作。本作は2007年のシアタートラム版。
古い週刊誌のモノクロページに残る若かりし頃の母。夫婦漫才師の家で家政婦として住み込み、浮き草稼業の芸人たちに囲まれて微笑む女の姿は、失踪を重ねた行方知らずの母親を探す異父兄弟にとって、たった一つの手がかりだった。根無し草の様に忽然と姿を消さざるを得ない母の人生を辿る息子たちが母に恋した瞬間、人生がシンクロする。心の傷を隠しつつも、気楽に生きようともがく人間の家族のあり様を問う物語。
『セールスマンの死』(22年春)の斬新な演出で日本の演劇ファンをうならせたショーン・ホームズが豪華俳優陣と日本クリエイターと創る23年版『桜の園』。全員、どこかおかしい…。そこにいるのは亡霊か、それとも現在の私たち?