日本演劇史に燦然と輝く金字塔――リアリズム戯曲の最高峰と言われる久保栄渾身の人間ドラマ、2部作の第1部です。日本がファシズムへの道を突き進む1930年代の北海道を舞台に、農業技術の発展とそれを阻む古い生産関係との相克を描き、この国の近代の特質を構造的に摑まえようとした大作。農産実験場の支場長は、十勝の火山灰地にはカリ肥料が重要だと力説する。しかしそれは義父でもあり恩師でもある農学博士にたてつき、国
1954年民藝初演のアーサー・ミラーの傑作戯曲。1984年は滝沢修の新演出・主演で5度目の上演、文化庁移動芸術祭をふくむ全国公演を続け、翌年1月には東京でアンコール上演。
宇野重吉演出、北林谷栄主演で日本中を感動のるつぼに巻き込んだ名舞台。1963年初演から2003年まで462回の上演を重ねました。瀬戸内海の劇詩人といわれる小山祐士が、原爆の惨禍を庶民の目から見つめた人間味あふれるさわやかな叙情詩劇です。瀬戸内海の小さな島。ハナ婆さんは泰山木の木の下で質素に暮らしていました。早春のある日、木下刑事がハナ婆さんを訪ねてきます。堕胎の罪で逮捕しにやってきたと言うのです…
近代日本の曙を描く新劇の記念碑的作品。1934年、新協劇団の旗揚げ公演として初演、青山半蔵役の滝沢修の演技が絶賛されました。初演から30年周年に当たる記念すべき年、滝沢をはじめとする民藝ならではのアンサンブルで力強く厚みのある舞台を再創造しました。2部作の第1部。10景中6景のみ。幕末、木曽路馬籠宿。本陣青山家の若主人半蔵は、学問好きの多感な青年で、国学に心を寄せていました。しかし黒船の来航で街道
イギリスの田舎町ウインザーを舞台に繰り広げられる喜劇。酒と女には目がない活力にあふれた憎めない男、フォルスタフが二人の人妻に散々な目にあわされるエピソードを軸に、旧い秩序意識から解放されて人間中心の時代へと目覚めていく市民たちの姿を、楽しい笑いの中にいきいきと描いた作品です。
(フライヤーより)人間の愛やいのちの悲しさ、それにかかわる人間のおろかさ、切なさなどの問題を、きわめてシンプルに、しかも限りなく深く問うドラマ。それがこの「夕鶴」です。1949年から1000回もの公演を重ねてきたその舞台は、民話劇でも新劇でもない、まったく独特な「日本の芸」を見せてくれます。一つ一つ練りあげられ磨きあげられた科白の、そして動きの素晴らしさに接すれば、公演のたびに観客の心を魅了し、二