18世紀、文豪ゲーテの書簡小説「若きウェルテルの悩み」は理性が全てに勝るという啓蒙主義を背景に恋愛の挫折と自殺という不条理を描いた。本作品はこの設定を現代の小学生に移行。成人が演ずる子供には将来の夢と思春期の未熟が同居する。秘密の共有、孤立、イジメ、性への執着。上田テルオはその姿の絶望を転校前の友人に書き送る。ロッテと呼ばれる少女が現れ、小説の執筆を勧め、テルオは魂の救済とロッテへの恋に震える。
この夏ワケあって離婚した堺トシオと、息子マサアキとの“2人だけの夏休み”がはじまった…忙しさにかまけて、かえりみることのなかった息子の存在にとまどう父。2人の関係を修復しようと努める父親の身勝手さに、反発する息子。子どもの頃、ジャングルジムから落ちてケガをして以来、夢見ることをあきらめて生きてきたトシオは、心から願う。「あのひざの皿を割った、夏休みのあの日からやり直してみたい」そして、あの夏と同じ
わけありテコちゃんのうそは、おもしろかったり、とんでもな いものだけれど、なんだか気になる、ひっかかるうそなのです。●三人の男の子と二人の女の子たちは、バカバカしいけどついついテコのうそが気になってダイロンソ―になるのだがいつもまとまらない。ほんとのことはおあずけになってしまうのです。●テコちゃんはうそかほんとかきめてもらうためサイバンにかけると言いだした。するとパッと現れた南の島のサイバンショと
先の戦争で、19才のいのちを南方の海深く沈められた少年兵。その弟が兄の生きた最後の2年間を追想するレクイエム。戦後50年に同名の舞台劇として上演され、全国巡演を果たした作品が、25年を経て原田一樹構成演出で一新、朗読劇として鮮やかに蘇る。
沖縄の日本復帰から10年が経った1982年、人口41ひと、そして小学生がだった一人になってしまった鳩間島は存亡の危機に立たされていた。その生徒も三学期の終了とともに西表島に転校することになっている。そうなれば、診療所も郵便局も交番もなくなり今となっては島の唯一の公共機関である小学校は廃校となり、島の過疎に拍車をかける。ひいては廃村といった事態に陥るかもしれない。そこで島野大人たちは、親戚の子を島外
感動の浅田次郎作品、初の舞台化! 「鉄道員(ぽっぽや)」「壬生義士伝」「蒼穹の昴」など数々のベストセラーを世に送りだし幅広い年齢層の人々に圧倒的な支持を受けている浅田次郎氏。その作品群の中でもひときわ光彩を放つのが「天国までの百マイル」です。同作品はすでに映画化、ドラマ化されています。そして今、文化座が挑む初の舞台化。親子の深い絆、男女の切ない恋、そして人と人との出逢い。<愛と勇気と再生>の物語を