宇宙堂第5回公演
屋根裏部屋で、一人の老女が死に誘われている。「恋」を待ちながら、人々に忘れ去られた作家。骸骨化した彼女の物語たちが静かに老女を眠りに誘う。 老女が眠りについた途端、トランクを抱えた男と家出の大阪少年がこの部屋にやってくる。男はそのトランクに「恋」を閉じ込めていた。若き日の、叶わなかった不思議な女への恋心。あの女はいったい誰だったのか。 そして老女の物語が息を吹き返す。 時は大正。苔の花粉の舞う夜に
(フライヤーより抜粋)近松が、南北が、黙阿弥が、天狗の魔風にキリキリ舞い。
元は、歌舞伎演目『摂州合邦辻』の「合邦庵室の場」。全編で竹本浄瑠璃が語られる中、物語をインドの神々の住む天上界に置き換えて、母から実子への邪恋、継子の母恋慕、嫁女と継子の不倫関係など、人間関係に更なる愛憎を盛り込み、換骨奪胎。ご見物からの人気も高く、劇団の節目での再演も数多い傑作だ。天上界では、最高神シヴァ神が突然の崩御。跡継ぎには、カーリーとの実子で第2子のインドラが選ばれる。第1子のシッダルタ
郵便配達員が手紙を届けに行くと、長い行列が出来ていて進めない。聞いてみると、デパートの倒産セールやパチンコの新装開店、焼肉食べ放題など、並ぶ理由は人によって言うことが違うが、「せっかくここまで並んだのだから」と去る者はいない。やがて列は建物に入って行くが、迷路を歩くうちに、目的ばかりか自分が何者かさえあいまいに・・・。いかがわしい現代社会で生き人間が本物を問いかけ、その不条理性を描く。