演劇
アーカイブのみ

釋迦露章 閻魔來由 怪談身毒丸(鶴組)

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釋迦露章 閻魔來由 怪談身毒丸(鶴組)

元は、歌舞伎演目『摂州合邦辻』の「合邦庵室の場」。全編で竹本浄瑠璃が語られる中、物語をインドの神々の住む天上界に置き換えて、母から実子への邪恋、継子の母恋慕、嫁女と継子の不倫関係など、人間関係に更なる愛憎を盛り込み、換骨奪胎。ご見物からの人気も高く、劇団の節目での再演も数多い傑作だ。
天上界では、最高神シヴァ神が突然の崩御。跡継ぎには、カーリーとの実子で第2子のインドラが選ばれる。第1子のシッダルタは、人間の賤しい血を引く半神半人だからだ。ところがインドラは、実母のカーリーから求愛を受け、さらに難病で失明寸前。その病もカーリーの仕業と知った爺々ブラフマーは、カーリーに刃を突き立てるが、死ぬ間際、カーリーはことの真相を語り始める…。
アジアを意識した絢爛豪華な衣裳や民族音楽を取り入れ、振付はバリの舞踊やカタカリ、舞台装置は能舞台に蓮池というごった煮の舞台。そして、満開の蓮に囲まれた中、竹本の浄瑠璃が流れる。歌、踊り、バラエティな要素もふんだんに盛り込まれ、なんでもありの花組芝居の真骨頂とも言うべき作品である。

視聴方法

早稲田大学演劇博物館
無償

演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。

デジタルアーカイブデータ

利用方法/利用条件について
映像管理者
株式会社花組芝居
権利処理状況
アーカイブのみ
上演分数
99分
映像分数
99分

作品情報

上演情報
1988/7/20(Wed)~1988/7/31(Sun)新宿タイニイアリス(東京都)
1988/9/29(Thu)~1988/10/2(Sun)ザ・スズナリ(東京都)
出演者・
スタッフ
嫁女(ヤマ・閻魔天)
加納 幸和(花組芝居)
母親(カーリー・黒色の女神)
篠井 英介
継子(シッダルタ・釈迦)
水下 きよし(花組芝居)
実子(インドラ・帝釈天)
斎藤 信也
婆々(サラスバティ・弁才天)
深沢 敦
爺々(ブラフマー・梵天)
松尾 淳
司法神(ヴァルナ・水天)
原川 浩明(花組芝居)
黒衣 甲
松本 文彦
黒衣 乙
浜崎 孝浩
黒衣 丙
井田 弘樹
黒衣 丁
溝口 健二(花組芝居)
黒衣 戊
佐藤 誓(アクトレインクラブ)
竜王ナーガ
木原 実
脚本・演出
加納 幸和(花組芝居)
義太夫
竹本 朝重
三味線
鶴澤 重輝
舞台装置
古川 雅之(アックス)
照明
田辺 直子
衣裳
阿部 朱美
小道具
高橋 麻衣子
舞台監督
安田 美知子
制作
大宮 夏子
舞台装置
鈴木 浩二
照明
法原 泰
衣裳
松岡 美香
音響
岩城 正惠
衣裳製作
花田 裕子
制作
竹野 友美
宣伝美術
小林 弘昌
宣伝美術
鈴木 徹
振付
浜崎 孝浩
衣裳製作
magonimo衣裳

上演団体情報

1987年、俳優・演出・脚本を兼任する加納幸和を座長とし、日本大学藝術学部出身の役者を中心にして、設立。
 庶民からは高尚で堅苦しくなってしまった“歌舞伎”を、かつての芝居小屋のように、誰もが気軽に楽しめる最高の娯楽に!と「かぶきの復権」を目標に活動を始める。
 物心付く前から、“歌舞伎”という言葉を知っていたという加納の、豊富な歌舞伎の知識と、枠にとらわれないユニークな発想、「なんでもあり」の精神が、古今東西の音楽美術を取り込み、独特の世界を作り上げた。俳優は男性のみ。パワーの有る個性豊かな俳優陣が「女形」も演じる。
 この奇妙で、美しく、魅力に溢れた「加納ワールド」を、自ら“ネオかぶき”と称し、当時の「現代用語の基礎知識」にも掲載された。
 上演演目の題材は、歌舞伎だけにとどまらず、翻訳物、現代物、漫画原作物など多岐にわたる。特に、泉鏡花作品は高い評価を得ている。また、傾向は多岐にわたっているものの、どの作品も他団体で上演しているものとはまったく違う「これが花組芝居の作品」という明確な色を持っていることは、大きな特色と言える。
 1996年には、『天変斯止嵐后晴』で、アメリカ公演を敢行。1999年の帝国劇場進出(『西鶴一代女』主演・浅丘ルリ子)を皮切りに、大劇場にも活躍の場を広げた。国内外、小劇場から大劇場まで、型にはまらないグローバルな活動を心がけながら、歌舞伎表現の豊かさを現代演劇の土壌に生かすべく、創作活動を続けている。

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