郵便配達員が手紙を届けに行くと、長い行列が出来ていて進めない。聞いてみると、デパートの倒産セールやパチンコの新装開店、焼肉食べ放題など、並ぶ理由は人によって言うことが違うが、「せっかくここまで並んだのだから」と去る者はいない。やがて列は建物に入って行くが、迷路を歩くうちに、目的ばかりか自分が何者かさえあいまいに・・・。
いかがわしい現代社会で生き人間が本物を問いかけ、その不条理性を描く。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1980年10月、大阪芸術大学(舞台芸術学科)の有志により結成。『蛇姫様』(作・唐十郎)で旗揚げ公演後、第2回公演以降は、座長・内藤裕敬のオリジナル作品を上演している。
今も昔も、演劇だけが生み出せる劇的瞬間を探り追いかけている。
主人公の男が押入れの奥から、昔よく履いていたズボンを見つけたことから始まる。それをコインランドリーの洗濯機に入れた所で、後ろのポケットに、何か大事なものを入れていたことを思い出す。ズボンは見当たらず、代わりに「あなたの過去を上演したいので、上演許可を!!」という、演劇部の女子高生たちが登場?!それを契機に「ラブレターを返して」と迫る昔の彼女など、彼の忘れたい過去が、記憶の渦の中から次々と現れて…。
さよならオレンジ版
過去と未来が錯綜する奇想天外なストーリー一話語るごとに一本ずつロウソクを消し、百話を語り終えて最後のロウソクを消すと、恐ろしいことが起こるという百物語。その百物語を語れなかった少年と、結婚を直前に自分は語ることが何もないことに不安を抱く男の物語探しが始まる。過去と未来が錯綜する奇想天外なストーリーの中、果たして男は物語を探し出すことができるのか。
『大和屋別館』は、宿泊料がべらぼうに安く、次々と客がやってくる。しかし、安いのには理由があった。その旅館には、個室は無く大部屋が一つあるだけ。つまり、老若男女、ビジネスマンも旅行者も、日本人も外国人も、恋人も他人も、とにかく皆雑魚寝。同じ部屋で眠らねばならなかったのだ!
みんなの歌が遠くに聞こえる。その1、その2を経て、その3となるこの作品は、誰かが誰かを歌い、みんなでみんなを歌うどこかへ向かおうとすれば、個人主義から新しいコミュニケーションを発想しなければならない現代の困難を描いた。