郵便配達員が手紙を届けに行くと、長い行列が出来ていて進めない。聞いてみると、デパートの倒産セールやパチンコの新装開店、焼肉食べ放題など、並ぶ理由は人によって言うことが違うが、「せっかくここまで並んだのだから」と去る者はいない。やがて列は建物に入って行くが、迷路を歩くうちに、目的ばかりか自分が何者かさえあいまいに・・・。
いかがわしい現代社会で生き人間が本物を問いかけ、その不条理性を描く。
1980年10月、大阪芸術大学(舞台芸術学科)の有志により結成。『蛇姫様』(作・唐十郎)で旗揚げ公演後、第2回公演以降は、座長・内藤裕敬のオリジナル作品を上演している。
今も昔も、演劇だけが生み出せる劇的瞬間を探り追いかけている。
いつも自問自答をくり返すように、人は自身の内部に人格が内在すると感じている。それを魂と呼ぶならば、私達の肉体は魂という使用人に操られているかも知れない。さあ、魂と対決する度に出よう。笑いと共に。
陸の孤島と化し、立ち退きを迫られた病院を舞台に、わざわざ通院してくる老人や幽体離脱できる入院患者など、病院に集う人々の人間模様を描きながら、神の存在の有無にも踏み込む。
奥にはがらくたの山、傾いた柱、ふすまの横に喫茶店のカウンターがあり、はたまた床の間のある畳敷きさえも。ここはあるときは、帰らぬ父を待つ少年の暮らす海の家。またあるときは、喫茶店とアパートと民家がひしゃげた形で合体してしまった共同生活場。というのも、物語の背景には阪神淡路大震災の影が落ちているらしく、崩れて寄りかかりあった建物がここなのだ。居場所をなくし、生きるすべをなくした不在の父を求める群像劇。
警報が鳴り響いた!とにかく避難所に逃げ込んだ御町内の皆さんは、そこで初めて何が起きているのかわかってないことに気づく。どうもライオンが逃げたらしい…。御町内の思惑は交錯し、ライオンが暗喩するこの世の様々が襲いかかる。