────あーー! 何回死ねばいいの? もし、死んじゃっても、必ずわたしのいるところに、来て────何度も殺されるフフと、何度も助けるミチコのふたりは小さなループを作り、生活していた。ある日、そんなふたりのルームに映画を撮りたい男たちがやってきたことでループは歪む。撮影が開始されたルーム内で、生きているひと、死んでも死なないひと、もう死んだひとらがガチガチにぶつかりあい
2019年より継続して協業を重ねる劇作家・松原俊太郎と、二人組の舞台作家・小野彩加 中澤陽 スペースノットブランクが、2020年12月にロームシアター京都 ノースホールで上演した『光の中のアリス』を、装いを新たに2024年11月のシアタートラムで上演する。出演者として、荒木知佳と古賀友樹が2020年に引き続き続投、小野彩加と中澤陽が演出と兼務、そして伊東沙保と東出昌大が新たに加わる。「登場人物はは
沈黙と禁忌を破った娘は、ついに王を訴える。恋人が加勢し、侍従が引き止め、一般人が乱入し、王は思い悩む……これは混線するリアリティショー? それとも繰り返し再生されるテープレコーダー? 第63回岸田國士戯曲賞受賞作『山山』に次いで松原俊太郎が地点に書き下ろした本作のテーマは、「天皇制」。本作はコロナ禍にあって劇場での鑑賞を前提とした〈劇場版〉と〈オンライン版〉の2バージョンが制作された。
作者・松原俊太郎が演劇と出会うきっかけとなったブレヒト作『ファッツァー』をモチーフに、第一次世界大戦中の脱走兵を戦後日本に甦った英霊にトレース。「やってきた者たち」として戦争と自らの生死について語る彼らは、ときに閉塞感に悩む日本人の現在の姿を彷彿とさせ、さらには波にさらわれた記憶を語るなど、多くの人々の生きていた時間を一身に引き受けた、どこの誰とも特定できない存在だ。反復を恐れず、たわむことのない
『忘れる日本人』に引き続き、震災後の日本人の姿を描く地点×松原俊太郎第4弾。かつてあった美しい山の隣に放射性廃棄物の山ができたという戯曲の設定を空間に落とし込んだ黒光りする急斜面の舞台で、汚染された土地で暮らす家族をなまはげをモチーフにして演じた。叫ぶことを怠けてはいけない、という信念のもとおくる新しい〈家庭劇〉とも言える本作は、松原俊太郎の第63回岸田國士戯曲賞受賞作となった。
松原俊太郎による現代日本のフォークロア。舞台中央には一艘の舟。漁師、サラリーマン、女子高生…と様々な「日本人」が現れ、奇妙な共同体は舟に乗り込むーー。行き場を求めて右往左往する人々の姿は、不思議と深刻さからは無縁であり、祝祭空間としての劇場を強く意識させる。震災以降の日本社会に対する痛烈な批判でありながら、死者とともにあること、忘却についての哲学的論考を含む原作を一幕に再構成、地点の新しい境地を拓