いま・ここにいる人間のためだけではない演劇は可能か?人とモノが主従関係ではなく、限りなくフラットな関係性で存在するような世界を演劇によって生み出すことはできるのだろうか? 東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市では、失われた住民の暮らしを取り戻すべく、津波被害を防ぐ高台の造成工事が行われている。もとの地面から嵩上げされる高さは10メートル以上。そのための土砂は、周辺の山をその原型を留めな
チェルフィッチュ×金氏徹平『消しゴム山』東京公演にて行ったライブ配信「消しゴム山は見ている」。「消しゴム」のコンセプトを体現する独自のアプローチでお届けする映像配信は、劇場では体験できないもうひとつの『消しゴム山』。演劇という人間のための営みを通して、人間とモノ、それらを取り巻く環境とがフラットな関係で存在する世界を生み出すことはできるだろうか。2019年10月の『消しゴム山』京都初演から1年。劇
賃貸契約の一方的な破棄により、住む家をいきなり追い出されそうになる家族の物語。しかし人智の及ばない強大な力が見え隠れし始め、その問題自体が舞台上から消え去り———人間の世界を圧倒する存在が上演を支配し、まったく新しい世界が舞台上に立ち現れる。俳優たちはナラティブとは別の基準によって作られた振付を遂行し、次第に変態していく。音楽家もまた、楽譜に書き込まれた多彩な技法を用いて音楽を変容させる。6名の俳
ある契約社員の女性がファミレスで毎日の出勤前に過ごす、ささやかで、大切でちょっと異様な30分の「フリータイム」を描く。チェルフィッチュは本作で、これまでに継続的に行われてきた演劇的ナラティブへの模索を、さらなる抽象へ向けて加速させた。KUNSTENFESTIVALDESARTS(ブリュッセル)、Wiener Festwochen(ウィーン)、Festival D'automne(パリ)による初めて