舞台上にゾロゾロと現れるのは、普段着の男女28人。誰もが一度は耳にしたことのあるポップソングをバックに黙々と身体を動かす彼らに、年齢や職業、 ダンスの経験をはじめ、特別な共通点はない。舞台手前でDJ役を務めるスタッフが突如舞台にあがり<プライベート·ダンサー>にのせて見事なダンスを披露したり、<ばら色の人生>では場内の照明がすべてピンクになったり……歌詞にあわせたペタな振付や演出に、観客は笑い、感
演劇という枠組みを越境して、ポップでストリートな活動を繰り広げる快快(ファイファイ)の演出家として活動してきた篠田千明は、2012年、快快を抜けてソロ活動を開始。タイ・バンコクへ拠点を移して、そこで出会った人たちとの集団制作を通して作品を発表してきた。一昨年からは、『機劇』『非劇』と題して新作を立ち上げ、”劇を機する”、“劇に非ず”という、劇の成り立ちそのものを問い直すような関心の在処を示している
ジャワ島の伝統的な魔除けの儀式であるルワタンの演目、『ムルワカラ』から着想得て製作した『まよかげ/Mayokage』。その作品づくりの過程を関係者やリサーチ協力者の話をもとに振り返る。
最近、現実が3つくらいある感じがする。疫病がない社会とか、戦争がない世界とか。で、昔やった、2021年から始まる近未来SFの舞台を思い出した。戦争とか不死とかが現実を蝕む様を描いていた。『no plan in duty』は2015年に吉祥寺シアターで上演された『非劇』の2022年版です。過去の想像や計画や劇が終わらずに混迷していく現状を、日常の住宅街に潜む家に立ち上げてみます。
ロボット、アンドロイド、クローン、そして人間の「存在」への問いを描いた作品。ダンス寄りな身体と切り離された言葉で表現の可能性を探る。
近未来、TOKYO、渋谷、ハチ公前、「私は君が好きだ」と思う、その気持ちを巡るシンプルなストーリーを「読む人がいて、動く人がいる」という手法を使って描いた作品。それによって生じた体と言葉の「ズレ」がコミカルであり、また切なくもある。誰でも共有できる普遍的なものだけれど、特別視されてもいる、愛というものの話。