アナログスイッチ 17th situation
僕らに残された家。僕も、姉も、兄も、妹も、かつてはこの一つ屋根の下で過ごした。でも今この家に全員が揃う日なんて、よっぽど良いことがある日か、悪いことがある日だ。卒業アルバム眺めながら、姉は言う。箪笥に溢れた紙袋出しながら、兄は言う。鮭を咥えた熊抱きながら、妹は言う。この家どうする。積もる思い出に埋れながら言い争う、僕ら兄弟姉妹のお話。
楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~『楽屋』は清水邦夫氏の代表作で、日本で最も多く上演されている戯曲といわれる。チェーホフの『かもめ』や『三人姉妹』、シェイクスピアの『マクベス』、三好十郎の『斬られの仙太』などの戯曲をはじめ、さまざまな文学作品の言葉がふんだんに引用されている。登場人物は『かもめ』のニーナ役の女優と、その上演中の楽屋に住み着く女優だった幽霊の4人。名セリフの引用は、名作へのオマー
劇団鹿殺し 15周年記念公演
時は戦乱の世。幾多の武将が名を馳せる中、月見草のように闇に咲く名も無き侍たちがいた。強さとは何か?死ぬべき時はいつか?生きる意味とは?はぐれ雲に問い続ける刃の光。流れた血のあとに、月の涙が零れ落ちる。合戦の騒乱を生バンドに乗せ、足軽が管楽器を吹く。嘆きのギター、進軍のベース、生きる鼓動がドラムに乗り移る。劇団鹿殺しが挑む「新世代パンク時代劇」参上!
会社員の明日香は、ある日入院中の祖母・八重の許嫁である春樹という青年と出会う。八重に伝えたいことがあって戻ってきたと告げ、閉校になった小学校の音楽室に一緒に行って欲しいと頼む。聞こえるはずのないピアノの音色に誘われて、明日香は、地域の戦争について調べている従兄弟の憲吾らとともに、春樹に導かれるまま、廃校になった小学校の音楽室に向かう。そこで目にしたのは、生きているはずのない人達。彼等が今を生きる明
おもむろにビニールプールを膨らませる15人の俳優。ビニールプールが完成すると、その中に胎児のように丸まって、眠りにつく。音楽が始まると、彼らは、それぞれの島に住む人々や、島の魂、妻に逃げられた若いパパや、ロンドンに居るイギリス人、ビニールプールの検品をしているアルバイトなど、様々な人物になっていく。リップシンクによる、コンセプトアルバム的な音楽シーンの連続で送る、人類の孤独を慈しむ音楽劇。
電話や鍋など、さまざまな日用品=遺品を土で固められた舞台(能舞台を模している)に置き、語りはじめる五人の女優たち。彼女らは、イェリネクのテキストを舞台上で「伝達」しようとしているのだが、その試みは互いの突っ込みや言葉の奪い合いにより、うまく運ばない。「上演は失敗する」という印象的なフレーズと、不自由そうに発せられる「ペンも紙も失ったので、言葉を記録し、それを誰かに伝えるためには、ただこうして、頭で
「私は東京生まれです」「2020年のオリンピックを歓迎します」「今年セックスをしていない人」…。「はい」か「いいえ」か、さまざまな問いかけに応えて舞台上を移動し、時には自らの経験や考えをマイクの前で語るのは、東京都の人口統計(国籍、年齢、性別、居住区、世帯構成)を反映した100人の市民。 23区を「代表」 する彼らが劇場空間に描き出した「トーキョー」は、 この都市の標準的な姿か、演じられたイメージ