『K――カフカと恋人たち』は、阿部日奈子の詩集『典雅ないきどおり』に収められた作品「K」を基盤としながら、カフカの小説、日記や書簡の断片を自由にコラージュする形で構成され、カフカと恋人たちの不思議な愛の「かたち」、男女の権力関係が探られた。舞台世界の表出は、物語や文学の再現ではなく、強度のある〈声〉や身体表現が駆使され、現代詩、舞踏、現代演劇、現代美術の思い切ったコラボレーションとして行われた。
「現代能楽集」連作
『オイディプス』公演は、「現代能楽集」の連作の一つとして、古典劇としてのギリシャ悲劇が、現代という時代、状況の中で、どのような意味を持ち、アクチュアルな問いを投げかけることが出来るのか、といった古典と現代の根源的な課題を問い直せればと上演された。テキストは、ソポクレスの『オイディプス王』を踏まえ、詩的言語を駆使して書き下ろされた詩人高柳誠のテキストを枠組みとし、夢幻能的な構造で構成されている。
「現代能楽集」連作
現代能『春と修羅』は、2012年に錬肉工房創立四十周年記念公演として、宮沢賢治の魅惑的な言語世界を手掛かりに、「現代能楽集」の連作の新たな展開が出来ればと上演された。この舞台では、物語世界の再現ではなく、詩集『春と修羅』を中心に、童話『かしはばやしの夜』、劇『飢餓陣営』、書簡、「農民芸術概論綱要」などの断片を再構成し、現代能として作品化された。また、2018年には決定版が再演された。
「現代能楽集」連作
旧東独の劇作家ハイナー・ミュラーの『ハムレットマシーン』では、東欧の現実が、冷え冷えとして空無化した世界が描かれているのだが、しかし同時に、そこには空無化、冷えの果ての「熱」のようなもの、非業の死者たちの声、視線があり、それは深部で夢幻能の記憶の層、身体性と繋がっている。そのため上演は、能、現代演劇、ドイツ語朗唱の共同作業として取り組まれ、その試みを通してアクチュアルで、根源的な言語、身体の相が探
