津軽に縁ある奈良岡朋子のために、青森県で高校教師の顔をもつ劇作家畑澤聖悟が書き下ろした意欲作。カミサマとは津軽に存在する民間祈祷者のこと。自分の守護神と対話しながら相談者にアドバイスを与え、人びとの心を「癒し」に導いていきます。まだ雪の残る津軽。カミサマ遠藤道子のもとへは家庭の悩みごとを抱えた人びとがひっきりなしに訪れます。しかし道子には何年も音沙汰のない息子がいました。その息子がある日突然あらわ
瀬戸内海の美しい叙情と人びとの哀歓をうたいあげる小山祐士作品。1963年初演いらいロングラン上演を重ねた名作を丹野郁弓が新演出、日色ともゑがハナ婆さんを継いでいきます。瀬戸内海の小さな島で一人質素に暮らすハナ婆さんは、貧しいながらも9人の子どもを産み、戦地と原爆で全員を亡くした哀しい過去を持っていました。そのハナ婆さんを堕胎の罪で逮捕しにやって来た木下刑事もまた、誰にも言えない苦悩を抱えていたので