瀬戸内海の美しい叙情と人びとの哀歓をうたいあげる小山祐士作品。1963年初演いらいロングラン上演を重ねた名作を丹野郁弓が新演出、日色ともゑがハナ婆さんを継いでいきます。瀬戸内海の小さな島で一人質素に暮らすハナ婆さんは、貧しいながらも9人の子どもを産み、戦地と原爆で全員を亡くした哀しい過去を持っていました。そのハナ婆さんを堕胎の罪で逮捕しにやって来た木下刑事もまた、誰にも言えない苦悩を抱えていたのでした……。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
有料オンデマンド配信。事前に会員登録が必要です。(月額550円会員登録+レンタル440円~)
劇団民藝は1950年4月3日に創立(前身は1947年発足の民衆芸術劇場=第一次民藝)。築地小劇場、新協劇団など「新劇」の本流を歩んできた滝沢修、清水将夫、宇野重吉、北林谷栄らによって「多くの人々の生きてゆく歓びと励ましになるような」民衆に根ざした演劇芸術をつくり出そうと旗あげされました。2000年からは大滝秀治、奈良岡朋子が代表をつとめ、現在は小杉勇二、樫山文枝、日色ともゑ、丹野郁弓を中心に、劇団ならではの層の厚さを生かしたアンサンブルによる密度の濃い舞台づくりをめざしています。
ロシア文学の古典的名作、トルストイの長編小説「アンナ・カレーニナ」を大胆に脚色したヘレン・エドマンドソンの斬新な台本を上演。劇団民藝創立50周年記念公演の第一弾。
海峡にのぞむ理髪店「山猫BARBER」。店の親方は昔カミソリで細君のノドを掻っ切ったとか。だけど細君も娘さんもちゃんといるようです。 北海道の炭鉱でガス爆発にあって温泉療養に行くという青年、なぜここへ来たのか自分でもわかりません。久しぶりのお客にカミソリを手にした親方、見習いに手伝わせますが危なっかしくてしょうがない。別役ドラマ独特の滑稽きわまるやりとりと時間の交錯、そこから不気味な記憶がよみがえ
1971年渡辺浩子演出で本邦初演したアーサー・ミラーの代表作を、倉橋健新訳、滝沢修の新演出で上演。全国42都市、98回公演。
戯曲の達人、小幡欣治の書き下ろし。2004年初演。戦前の昭和、浅草で生まれ育った小幡が望郷の思いを込めた傑作です。大滝秀治、奈良岡朋子、日色ともゑの共演が話題を呼びました。還暦を過ぎて隠居した浅草っ子のおじいちゃん、結婚したいと言い出した。相手は二十も若い吉原の花魁あがりとか。一男四女の家族会議はすったもんだの大騒ぎ。父親思いの長女が訪ねていくと、役者たちも出入りする浅草の十二階下のカフェのママで