国民的はなし家、円生と志ん生。うちひしがれた戦後の日本人を心底笑いで励ますことになるこの二人の大名人は、敗戦のときを満洲南端の都市大連で迎えていた。ソ連軍の侵攻と同時に大連は封鎖され、日本国からは見捨てられる。二人がふたたび祖国の地を踏んだのは、じつに六百日後のことであった。 戦禍の街を命からがら逃げまどう二人のはなし家。巡りあうのは、まるで地獄のような情景ばかり。住む家もなく、食べる物もなく、し
平和は言葉を作り、「笑」を生む。戦時中の人生体験は独特の日本の話芸を生んだ。戦争の苦労はなんのその、落語三昧に生きた話芸の天才二人の生き様とは?円生と志ん生、共に「昭和の名人」といわれる域まで芸を作り上げた噺家。リズムとテンポで軽妙な芸を得意とする兄弟子の志ん生と心に沁みる人情話を得意とした円生。性格の違う二人は戦時中の大連巡業から、戦後の生き方まで常に一緒、笑いとともにその奇想天外な行状行脚が史
ケムリ研究室 (ケラリーノ・サンドロヴィッチ 緒川たまき) 第3弾。STORY 何十年か、百数十年か先の、どこかの国のお話――。 地球の人口は以前の3割ほどに減少。繰り返された極度の寒暖により、植物はほとんどが死滅。生き残った動物たちは人間の食料とされ、今や目にすることは珍しい。 残ったのは昆虫、限られた鳥類、爬虫類、深海魚に変種の貝。 極端な気候の中で生活するため、都市では巨大な冷暖房装置が稼
三谷幸喜書き下ろし・演出による、ちょっとほろ苦い大人のロマンティックコメディ。今は亡き女性シンガーと組み、かつては様々なポピュラーソングを発表、ヒット曲を連発して来た作曲家と作詞家二人の男。彼女の7周忌に開かれる追悼コンサートのために久しぶりに顔を合わせた彼らは、彼女に愛されていのは自分だとお互いに言い張りのだが…。