1933年に発表された谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼賛(いんえいらいさん)』は日本の美意識を探求した書として今尚、世界各国で翻訳されて読み継がれている。本作では、舞踏家の身体と精神に潜む陰影の美しさを蝋燭のたゆたう炎に照らし出すことで「暗闇の中から発見する新たな身体」をテーマに浅井信好がソロパフォーマンスとして上演。
2020年のパンデミック時に月灯りの移動劇場が発表した「ソーシャルディスタンス円形劇場」は30枚のドアに模したパネルに開けたれた穴から内部で行われるパフォーマンスを覗き見るという画期的な鑑賞方法によって、世界各国から注目を集めた。本作では、2名のダンサーと2名の演奏家による即興のパフォーマンスである。極限まで研ぎ澄まされた音と身体の饗宴。
愛知県奥三河地方で鎌倉時代末期から室町時代にかけて、山伏などの修験者たちによって伝えられたと言われる「花祭」。毎年11月上旬から1月中旬にかけて東栄町内の10地区で開催され、神事や約40種類の舞が夜通し行われる。このドキュメンタリー映像では、月花祭保存会の協力のもと、花祭の稽古・準備・神事・花祭・片付けまでの2週間を密着取材した。月灯りの移動劇場主宰の浅井信好は、保存会の人達から舞や演奏の指導を受
この作品はコロナ禍で創作され「これぞソーシャル・ティスタンス・パフォーマンス!」と世界中で報じられた。特徴的なのは、舞台美術と一体化した「客席」である。三方を壁で囲われ、壁に空けられた穴から中をのぞき見るのだ。通常の舞台芸術でも、観客は暗い客席から一方的に明るい舞台を見ているわけで、いわば「のぞき」とは舞台芸術の本質なのである。カンパニーを主宰する浅井信好は多彩な顔を持っている。ヒップホップ出身で