演劇カンパニー「チェルフィッチュ」の主宰・劇作家として、現代社会に生きる人々を独自の言語と身体感覚を用いて鮮やかに描き、2011年の震災後も日本の社会状況を露わに批評した作品を発表してきた岡田利規。本作では、2015年9月に韓国・光州にオープンしたAsian Arts Theatreからの委嘱を受け、初めて日本人以外の俳優との創作に臨みました。「日韓共同制作」という枠組みでしか描けない物語とその表
40歳を超えて定職につかない独身の男「正」がアパートの一室に独立国を作る。そのアパートの家賃は年老いた母親の年金生活で賄われている。「ガイド」と呼ばれる男に導かれ、日本からの亡命を試みる兄妹と「正」の母親が、その独立国を訪ねる。アパートの隣の部屋には、騒音に近い音楽を聴きながら洗濯物を干す女が住む。彼らは自らの領土を主張しながら、奇妙な同居生活を始める。日本人独特の親子のつながりや登場人物たちの孤
松井周が主宰する劇団サンプルの解散公演。「モツ宇宙(コスモ)」という腸の宇宙を世界の始まりと考えるコスモオルガン協会の信者達による、教祖ピグマリオが生まれて死んで復活するまでの宗教劇。 と同時に、放浪し、虐げられる信者達の生活を描く。 彼らの行き着く先に「救い」はあるのか? 人間は神にもなれず畜生にも堕ちきれない。理性からも野生からも自由になれない中途半端な人間たちが、信仰をもとに生き抜いていくサ
兄夫婦と弟は同じ家に住んでいる。妻への不信感から兄は弟に「妻と二人きりで一泊してきてほしい」と願い出る。そして、その間に起きたことを逐一報告するようにと。夏目漱石の『行人』のシチュエーションを借りて、変化していく三角関係の行き着く果てを描く。2016年Votage-2016 Kuandu Arts Festival参加作品。
「松井周の標本室」は、劇作家・演出家の松井周が「演劇」を通して世の中に思いを巡らすためのスタディ・グループである。2020年~2022年度の活動を記録したドキュメンタリーが本作品。コロナ禍において、コミュニティを作り、オンライン会議や創作を通じて、各自のオルタナティブストーリーを生み出し、耳を傾けていく様を描く。このコミュニティでは、松井周というアーティストの好奇心を火種として様々な人間が互いに興
松井周の標本室 回遊型展示 標本空間Vol.1 無選別標本集
劇作家・演出家 松井周が主催するスタディ・グループ、<松井周の標本室>メンバーの発表の場として企画された、回遊型展示 標本空間Vol.1 無選別標本集で上演された、金子岳憲の1人芝居。コロナ禍を過ごす俳優。「自分は社会の余り」だと感じる日々の中で突然光合成ができるようになる。進化した人類として持ち上げられ、束縛の強い恋人と離れ、自分らしく生きようと決意する中、陰謀論者が近づいてくる・・・これはAI