【Story】少年は、街で、沖縄生まれの祖母を持つヒツジに出会う。祖母の記憶の大阪をめぐる二人は、街を抜け、路地を走る。街にあふれる高層ビル、標識、インターネット、死者、影、人々の記憶。二人が目にしたのは、現在と過去、虚と実が交差した“オオサカ”だった。【Note】旅をするように世界各地で野外公演を行ってきた維新派。10年ぶりとなった大阪野外公演は周囲に川が流れ、舞台の奥には大阪の高層ビル群を臨む
琵琶湖では外来魚による固有種の生態系破壊が問題となっており、琵琶湖では外来魚のリリースは禁止され、湖周辺の釣りスポットに「外来魚回収BOX」なるゴミ箱が設置されている。しかし、釣り人の3割はこのBOXを生き物の命を粗末にする行為だと反対し、外来魚を湖に戻している。現地での取材を通じて、固有/外来/生命/生態系の対立を見つめ、両立を探った作品である。
今作は過去編と未来編の連作である。過去編は〈日差し〉の視点から〈森〉との婉曲しながらもシンプルな関係が描かれる。物語は二人の別れから始まり、その末、日差しは見たことはあるけどいつもと違う、過去とも未来ともつかない空間に漂着する。未来編では日差しと森の娘である〈春望〉が主人公となり〈陽子ひいばあちゃん〉を探す旅に出る。またインタールードとして現われる〈せかい〉の存在が作品世界全体を複雑に揺り動かす。