ナイロン100℃初期の代表作となった作品。
南の孤島、浜辺に建つ一軒家。そこに集まる女達。平穏な夏を過ごすはずだった彼女たちを襲う数奇な運命。16年間に渡る、憎しみと許し、拒絶と理解、偶然と必然の物語。ケラリーノ・サンドロヴィッチとナイロン100℃が紡ぎだす、サスペンス・コメディの頂点。
女性4人だけの出演者による濃密な作品は劇作家としての実力を広く知らしめ、この戯曲により岸田國士戯曲賞を受賞した。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
ナイロン100℃の前身となる「劇団健康」は、1985年、当時のインディーズバンドブームの中心的存在にあったバンド「有頂天」のボーカルを務めていたKERAを中心に、犬山犬子(現・犬山イヌコ)、田口トモロヲ、みのすけらによって旗揚げされた。ナンセンス・コメディを中心とした本公演14作品と数々の番外公演を上演し、高い評価と人気を得るも、1992年に解散。翌1993年、再びKERAを主宰として、犬山、みのすけ、峯村リエ、三宅弘城、今江冬子、藤田秀世、手塚とおるらで、ナイロン100℃を立ち上げ、1st SESSIONとして『インタラクティブテクノ活劇 予定外』を発表。
公演をSESSIONと称することに表れているとおり、劇団員に加えて客演やクリエイティブ・スタッフとともに、ナイロン100℃にしかできない表現を生んでいる。
これまでナンセンスな笑いを交えた作品をはじめ、シチュエーション・コメディ、ミステリー・コメディなどを上演してきたが、近年は岸田國士、フランツ・カフカ、別役実などをオマージュした作品や、壮大な群像劇など、多彩な舞台を発表している。
2019年、第45回公演『百年の秘密』(再演・2018年上演)にて、第26回読売演劇大賞 最優秀作品賞を受賞。
「大切なのは、この人達がこれから先も生きていったってこと──」三姉妹の〝光と闇〟を描く、ナイロン100℃家族劇の傑作!1976年。小説家・柏木伸彦(廣川三憲)は伯母から家を譲られ、妻・基子(松永玲子/2役)、7歳の長女立子(犬山イヌコ)、5歳の次女艶子(峯村リエ)、2歳の三女類子(坂井真紀)と御五色村に転居した。そこに伸彦のファン、三好(三宅弘城)が転がり込む。立子は10歳で文壇にデビューし才能を
1988年、劇団健康での初演以来、再演を繰り返すKERAの代表作にして唯一の私戯曲。波音の聞こえる浜辺の病院で、みのすけ少年はちょっと知恵の足りない仲間の患者達と脱走計画を企てている。そんな患者達を阻止しようとする医者や看護婦たち。彼等はスパイで、患者を逃がさないように見張っている。だが患者達は、その症状のせいなのかまったく集中力がなく、脱出は難航する。一方、その脱走劇と同時進行で、ボケ始めたみの
KERAのタイムスリップ・コメディの第一作。テクノな青春を駆け抜ける三人の女の子を通してあの時代のトーキョーを描いた、映画「1980」のプロトタイプとも言える作品。女子高生のチカ(松野有里巳)は、高校教師のケンタロウ(手塚とおる)への恋心に駆られ、彼の過去を変えたいがために1994年から1979年にタイムスリップ。15年前の東京で、チカは福岡からの転校生ミキ(宮前真樹)、ケンタロウの幼なじみのマユ
ナイロン、21世紀第一作、21回目の本公演は、21人の女性が繰り広げるシニカルな西部劇。シリアス・コメディの金字塔。とある西部の町に、流れ者・早撃ちエルザ(犬山イヌコ)がやってきた。彼女は自分の母親の敵を討つために、その町に住むというアイアンビリーを探しにきたのだ。早速、酒場に寄ると、前日にビリーが暴れて割った皿を片付けている女たちの姿があった。エルザはそこでビリーを待つことにするが、一向に現れな