日本海に面した小さな港町、金輪町。加瀬真治は三日間の行方不明の後、別人格となって発見された。
医師の診断は脳の障害。不仲だった夫の変化に戸惑う妻の鳴海を置いて、真治は毎日散歩に出かける。
同じ時期、田舎町に似合わない凄惨な事件が起きる。老婆が家族を惨殺し自殺するという事件で、一人生き残った孫娘も神経衰弱状態だという。
その後、町に奇病が流行り出す。ある特定の概念を失い、それについて理解できなくなるというもので、それは真治の症状とも似ていた。
医師の車田は頭を悩ませる。隣国との軍事的な緊張が高まる中、その時代の空気と相まって、町は不穏な空気をかもし出していた。
この町は同盟国の大規模な基地がある戦略的に重要な土地だ。政治的な関心からこの町を取材していた桜井は、天野という少年に出会う。
桜井は、“侵略者”の影を見る_。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
2003年旗揚げ。主宰は劇作家・演出家の前川知大。『散歩する侵略者』『関数ドミノ』『聖地X』など、オリジナルのSFやオカルト、ホラー作品で、目に見えないものと人間との関わりや、日常の裏側にある世界からの人間の心理を描く。空間・時間をシームレスに編集する演出を特徴とする。
ジャーナリストの寺泊は、菜食の人気料理家、橋本和夫に取材を申し込む。戦前に食餌療法を提唱していた長谷川卯太郎という医師を調べていた寺泊は、長谷川と橋本の容姿がよく似ていたことに興味を持ち、ある仮説を立てて取材に望んだ。プロフィールに謎の多い橋本は長谷川卯太郎の孫で、菜食のルーツはそこにあると考えていた。橋本はそれを聞いて否定した。実は橋本は偽名で、自分は長谷川卯太郎本人だと言う。本当なら122歳に
夢とうつつを渡り歩く、SFファンタジー。別居中の夫婦。妻はルームシェアをしていた友人が行方不明になり、警察に連絡をする。妻は夫と同じ夢を見ていることに気がつく。そして、夢の中で見知らぬ男達と出会い、異界に迷い込んだことを知る。悪夢のような真相を知り、現実に戻ろうとするが、目覚めることができない。妻は、夢の中で夢をみて、その階層深くに転落していた。(2008年上演)
経営者である小山田輝の元に、弟の春が帰ってくる。輝は、不安定な春を心配し、在宅の仕事を増やして見守っている。春は怪しげな友人、佐久間を家に招き入れ、何かを計画している。外では野生動物たちが出没し、ペットは脱走する。町の奇妙な変化に春は関わっていることをほのめかす。新しい秘書兼家政夫の山鳥、その紹介でやってきた整体師も不審な動きを見せ、小山田家は徐々に輝のコントロールを離れ、混沌としていく。
「ドミノ幻想」とは、世界はある特定の人間を中心にして回っているとする考え。その人間の願ったことは必ず叶う。願った瞬間にドミノが倒れ、結果に向かって進んでいく。周囲はそれに合わせて調整される。また、ドミノは思いの強さに比例し、スピードを上げる。最も速いものは「ドミノ一個」と呼ばれ、願った瞬間に結果が現れる。それは俗に「奇跡」と呼ばれる。ドミノの力は期間限定である。ランダムに移っていき、誰に備わってい
