栃木から上京し旅館で女中奉公をしていた戦中、彼女には仄かに思いを寄せる陸軍少尉がいた。タヅは自分の気持ちを殺し、思い合っていた少尉と同僚とよの間を取り持とうと腐心していた。しかし少尉はサイパンで戦死する。その後タヅは結婚するも、夫は戦災のところに入り浸るなど、不幸な結婚生活を送る。二人の娘を授かるも夫は病死、女手一つで育て上げた。そして現在。タヅは何を思ったか、新婚4カ月で亡くなった次女の亭主・和弘のアパートへ転がり込み、奇妙な同居生活が始まった。和弘はかつてタヅが思いを寄せていた陸軍少尉に瓜二つだったのだ—―。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団文化座は戦時下の1942(昭和17)年2月26日に結成される。同年4月第1回公演梅本重信作『武蔵野』で旗揚げ。敗戦間際の昭和20年6月、日本の現代劇の紹介という名目で満州に渡り2か月後に敗戦を迎え、一年間の難民生活を経て帰国。以来、「戦争と日本人」にこだわった作品、日本の底辺に生きる人々に寄り添った作品、現代を映す鏡となる現代劇を生み出し続けている。
カナダはオンタリオ州にある農村。実家の農場を父親ジャックから買い取り引き継ぐため、ジョーは新婚間もない妻のアリスとこの地にやってきた。トレーラーハウスで仮住まいを始めるもアリスは弁護士の資格を取るため忙しく、ジョーは簡単に昼食を済ませると再び農作業に出かけていく。そこへジョーの母親モーリンが訪ねてくる。素朴で田舎気質丸出しのモーリンと都会育ちでインテリのアリスはなかなか噛み合わない。やがて・・・。
「汝殺すことなかれ・・・また、おのれの如く汝の隣人を愛すべし」このイエスの言葉を素朴に信じて召集を拒み、戦争に反対した片倉友吉。彼は、名もない一介時計工場の労働者である。だが、大戦の遂行か下にあっては言うまでもなく非国民扱いであり、死よりも過酷な罵倒と拷問と脅迫が彼を待ち受けていた。さらに彼だけにとどまらず、周囲の人達をも巻き込んでいった。父は自殺、弟は職を追われ暴死。そして母親が、妹が、友人たち
歌合というのは、越後の親不知から、断崖を削ぎ割ったようにして入りこむ歌川渓流にそい、約5キロばかり山奥へのぼりつめたところにある寒村である。戸数はわずかに十七戸。大正八年、この村に住む瀬神留吉という男の許へ、おしんという美しい娘が嫁いできた。不幸な生い立ちのおしんにとって、留吉と老母いねとの生活は、貧しいながらも初めて仕合わせな生活と呼べるものであった。だが、夫の留吉が杜氏として伏見へ出稼ぎに出て
古典的先住民姿の少女が語る、いつとは知れない、しかし先祖代々伝えられてきた物語ーその年は天候不順で食糧の蓄えができないまま厳しい冬がやってきた。危機に瀕した集団のリーダーは、口減らしのため、お荷物となっていた二人の老女を棄てる決定を下す。それは老人を敬い大切にする伝統に背く決断であった。彼らは食糧を求めて旅立っていく。棄てられた二人の老女は、悲しみ、恨み、怒り、そして絶望の淵に立たされる。しかし死
