<あらすじ>
夏、県営住宅の一室。前日母親の葬儀を済ませ、今日は妻に離婚届を突きつけられ捺印を迫られている男、 42歳の元郵便局員・鈴木卓也。学生時代の友人との浮気がばれ、車で人身事故を起こし、職場もクビになる始末。 心臓の悪かった母親は度重なる心労であえなく他界。そして、残されたのは、84歳になる認知症の父親ただ一人。 男は失禁した父親をトイレに連れて行ったが……。 気が付くといつの間にか深夜。父親を探してトイレで見たものは、なんと父親の【ぬけがら】。 脱皮したらしい父親は20歳若返り、元気そのもの。 その後も、まるでセミのように脱皮を毎日繰り返し、父親はドンドン若返ってゆく。 男は、若返る父親に戸惑いを感じながら、若返ると共に判明する父親の過去を現前に、 今まで置き去りにしてきた父親との絆を今あらためて感じるのであった。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団創立から85年を超える老舗劇団。日本の創作劇、和物、海外戯曲と幅広く上演。
<あらすじ>60歳を過ぎたウィリー・ローマンはかつてのような生彩を欠き、輝かしい未来が広がっ ているかに見えた息子たちも30を過ぎて自立できず、妻のリンダは献身的に夫を支える が、家庭の中に希望の光は見出せそうにもない。夢を叶えるにふさわしい仕事こそセール スマンであると信じてきたウィリーに、時代の変化は容赦なく彼を置き去りにしようとし ている。信念に固執するウィリーが家族のため、そして何より自分
時は天明の頃。紀州、紀ノ川沿いに蘭方医を業とする華岡家。後継ぎの雲平(青洲)が京に遊学中、母の於継は近郷の名家の娘加恵を請うて青洲の嫁に迎えた。加恵は姑の於継によく仕えた。於継も嫁の加恵をかわいがり、その睦まじさは人もうらやむほどであったが、青洲が京から帰郷すと様子は一変、二人は青洲をめぐって姑と嫁の女の争いをつのらせる。一方、青洲はそんなことは知らず麻酔薬の研究に没頭する。研究も進み、麻酔薬の完
ある地方都市に一組の夫婦と姑の奇妙な一家が移住してきた。妻と姑は実の親子でありながら、直接顔を合わせることもできず、妻は屋根裏に隔離され訪ねてくる母親とは吊るした篭に手紙をいれて連絡をとりあっているらしい。どうやら夫のポンツァ氏が二人を遠ざけようとしているらしい。我々には当然真実を知る権利があると息巻くマダム・ムッシュたちのもとに当の姑、フロオラ婦人が釈明に現れた。意外な事実があかされたところ、入
文学座創立55周年記念
昭和のはじめ、東京下町、袋物製造販売業「近常」の細工場。職人たちが電燈の下、とりとめない会話をかわしながら夜なべをしている。奥では年季明けの職人を祝う赤飯が炊かれ、肴や白味噌の椀の仕度がされている。十年の年季奉公のあと、この日一人前の印電師(高級ななめし皮を扱う職人)の門出を迎える秀太郎。職場を変える夫に従い、今夜未知の北海道に旅立つ女中のおせん。それぞれの「かどで」