<あらすじ>
夏、県営住宅の一室。前日母親の葬儀を済ませ、今日は妻に離婚届を突きつけられ捺印を迫られている男、 42歳の元郵便局員・鈴木卓也。学生時代の友人との浮気がばれ、車で人身事故を起こし、職場もクビになる始末。 心臓の悪かった母親は度重なる心労であえなく他界。そして、残されたのは、84歳になる認知症の父親ただ一人。 男は失禁した父親をトイレに連れて行ったが……。 気が付くといつの間にか深夜。父親を探してトイレで見たものは、なんと父親の【ぬけがら】。 脱皮したらしい父親は20歳若返り、元気そのもの。 その後も、まるでセミのように脱皮を毎日繰り返し、父親はドンドン若返ってゆく。 男は、若返る父親に戸惑いを感じながら、若返ると共に判明する父親の過去を現前に、 今まで置き去りにしてきた父親との絆を今あらためて感じるのであった。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団創立から85年を超える老舗劇団。日本の創作劇、和物、海外戯曲と幅広く上演。
文学座創立25周年記念公演
明治38年(1905年)、日本がようやく近代的な資本主義国家となり始めた頃、天涯孤独の境涯にあった<布引けい>は、不思議な縁から拾われて堤家の人となった。清国との貿易で一家を成した堤家は、その当主もすでになく、息子たちはまだ若く、<しず>が弟章介とともに困難な時代を生きていた。やがて<けい>は、その闊達な気性を見込まれ、長男伸太郎の妻となる。次男栄二に寄せた思慕は断ち切られ、<けい>は正真正銘、堤
空がくっきりと青い昼下がり。この時間はバスの来ないバス停のあたりは、今日も相変わらずしんとしている。ここはめったに人の通らないところなのだ。そこへやってきた41歳のセールスマン風の男。彼は、通りかかった乳母車を押す女に、ここでバスの回数券をなくしたのだと語る。女の両親も加わって回数券の行方を追及するうち、ごみバケツから一本のドライバーが。これは頻発する自転車泥棒の道具か?あたりにはベンチと電柱柱に
昭和六十三年度文化庁芸術祭
湖の美しい松江城下、松江藩浅香市之進の妻、おさいは、年頃の娘お菊とわんぱく盛りの息子虎次郎の三人で、主人の江戸詰めの留守をしっかり守っていた。一方「鑓の権三」とうたわれるほどの武芸の達人笹野権三は誰からも愛される藩内随一の美丈夫である。この頃凶作が続き藩財政も苦しく青年武士たちにとっての出世栄達の途はすでに武芸にはなく、茶道などの遊芸にわずかなチャンスを狙うよりほかはない。権三もまた例外ではなかっ
日本の現代演劇ポスターデジタル化プロジェクト2023
150点の現代演劇公演のポスターをアーカイブ。公演のキービジュアルがデジタル展開され難い、1960年代から80年代を中心に、紙で現存するポスターをデジタル化。ポスターのセレクションは、1960年代以降の舞台芸術系のポスターを収集・保存、これまでも研究や数々の展覧会に協力する等、演劇公演のポスターに造詣が深い、ポスターハリス・カンパニー社代表の笹目浩之氏が担当。