閉じていること。だからスペースが生まれる。開かれる。ドラマはそこから生まれる。
これは作品の作り方の話でもある。といっても、いつもそういう作り方をしているのだけど。今回が特別なのではない。しかし、今回はあえて、閉じている、という事を強調しておく。
僕たち自身も閉じていた。そこに意味があったのだと思う。これからは変わってもいいかもしれない。開かれたカンパニー?ダンス?に。ハードコアダンスってとっつきづらいしね。親しみやすくはなりたくないが。そう、かわろうとするときだからこそ、閉じていることにこだわってみたい。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
土方巽直系の舞踏振付法を学んだ振付家の大橋可也によって1999 年に結成され、東京を拠点に活動しているダンスカンパニーである。ハードコアダンスを提唱、現代社会における身体の在りかたを追究することをその活動の主題としている。
2008年発表の『帝国、エアリアル』では関連するフリーペーパーを制作、配布するなど、ダンスの枠組みを大きく超える活動を行っている。2013年、写真家GO撮影の写真集「Books, Phantoms」を発表。
2013年法人格を取得し、一般社団法人大橋可也&ダンサーズとなる。
「君が長く深淵を覗き込むならば、深淵もまた君を覗き込む」フリードリヒ・ニーチェ『善悪の彼岸』より足元を覆いつくすアスファルトのように、深淵は僕たちの日常に寄り添っている。足元に砕け散ったフロントガラスの破片のように僕たちの身体は今ここに放り出されている。深淵に映り込む影が、僕たち自身の姿であり、身体そのものであるのなら、明晰とは、ただそこから逃れることなく、ただここにあることを、ただひたすら見つめ
予測できない出来事=ブラック・スワンの出現を予言したナシーム・ニコラス・タレブの著作「ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質」からタイトルを引用した2008年作品。4脚の椅子、4人の男女を空間に並置し、不確実な時代の身体を抑制的な身振りで描き出した作品である。「大野一雄フェスティバル2008」参加作品としてBankART Studio NYK 屋外においても上演をおこなった。
生きづらさを感じるあなたたちへ。身体、社会、日本をえぐる。2008年、日本中を震撼させた秋葉原連続殺傷事件に触発され、「身体、社会、日本」をテーマに取り組んだ2008年作品。作品の上演に先立ち、フリーペーパーを刊行、身体を見失った現代の日本人に届けようとする試みをおこなった。ごみが散乱した舞台上にさらされた14人の男女の身体、伊東篤宏とHIKOによる生演奏、今ここに在る身体を直截的に描き切った作品