第65回公演
第65回公演
交通事故の長い昏睡から覚めたピタ郎は夢の中で出会ったジェニーという白い猫との再会を願っていた。
水の鍵を使いめでたく再会した二人は猫の視点から社会の事ごとを見つめ出す。
人間界ではまるでノラ猫のように汚いモノとして扱われるが、卓抜した水の使いであるジェニーはまいた緑のスカーフから取り出したジュースの素で汚い水を“甘い水”に変えてしまう。
しかしそのジュースの素こそ、既に禁止された人工甘味料を使った製品だったのだ。
伴にその製品を開発したワタナベも現れ、当時の関係に戻りたいと願うジェニー。ワタナベも開発に明け暮れた日々を懐かしむ。
そこに現れたのは向こうの世界では敵役だったデンプシー。彼は食品監視員ベロ丸として彼らの前に立ちはだかる。
ポール・ギャリコの同名小説をモチーフに飛躍的なストーリーを紡ぎだす唐版抱腹絶倒ファンタジー。
1967年夏、新宿・花園神社に突如出現した「紅テント」。
神社の境内や、かつて小学校だったグラウンド等、場所を問わず神出鬼没に出現する移動式テント劇場。
それは時代の風穴となり、演劇界に革命をもたらした。
紅テント興行は国内だけには留まらず、韓国、台湾、バングラデシュやパレスチナまで大遠征を果たした。
この唐十郎の革命的発明は、今もなお変幻自在に、あなたの棲む街のどこかに姿を現し続けている。
「紅テント」を引っ提げて、唐十郎の劇世界を追求し、世に問い続ける劇団。
劇団員はテント建てから始まり、役者と裏方の区別なく、舞台にまつわる全てを手懸ける。
唐十郎の誕生日である2月11日には、毎年入団試験が行われ、新たな「特権的肉体」の発掘が続けられている。
唐十郎から与えられ、培われた「存在」の探求を、久保井研をはじめとする劇団員が、
門をくぐる者たちへ伝承して行く。
第68回公演
誰か知る相愛橋のある横丁。すえたドブ川の袂にあるうらぶれの傘屋に、今、聖にして醜怪な万年少女が、おちょこの傘にさし飛んでくる。傘屋を営むおちょこは修理を頼みに来た客・石川カナに恋をした。いつか彼女に「メリー・ポピンズの傘を待たせる。」という夢を描くおちょこ。傘屋に居候している檜垣は、カナがかつて人気歌手の子どもを産んだ挙句にショッキングな出来事を引き起こした張本人だと気づく。檜垣はその歌手の元マネ
第67回公演
あらすじ:月光射し入る浅草・神谷バーの店内で、人形に言葉を吹き込む腹話術師の青年、朝顔とビニ本のモデル女、モモが再会する。朝顔は腹話術の人形・夕顔を探し続けている。水に沈められた人形たちを救出しようと巨大な水槽に潜る朝顔。しかし、探し続けていた夕顔はモモにおぶられていたのだ。混乱を重ねる朝顔にモモは訴える。-助けて、ビニールの中で苦しいあたしを!-水の中からビニールの城が浮かび上がる。その中にいる