アルゼンチン・ブエノスアイレスにおいて、したたかにかつ明確なコンセプトで作品を生み出し異彩を放つ振付家ルイス・ガレーが、2014年に続いて2 度目のKYOTO EXPERIMENT参加を果たす。前回は、「言語学的な身体」への考察から厳格な振付をほどこしたソロ作品『マネリエス』と、身体と物質を対等に扱って、無数のガラクタを舞台上に持ちこん だ『メンタルアクティヴィティ』の2 作品を上演し、いずれも異なる意味で身体の拡張を提示し、話題を呼んだガレーだが、今回は、日本でクリエーションを進めている新作の世界初演となる。
身体の新たな概念を見いだすべく、哲学、科学にも関心を寄せるガレーが、SNSとネット文化の発達した日本人の身体とその意識をどのように扱うのか。
2015年モンペリエ・ダンスフェスティバルで発表した『Cocooning』では、ダンサーの身体をインスタレーションとして提示、同年のウィーン芸術週間での『Under de si』では、アルゼンチン出身の美術家ディエゴ・ビアンキとの共同制作で新しい身体の概念を提示した。それに続く今回の新作では、ミュージシャンのオオルタイチが参加し、日本で見出した数十名のダンサーやパフォーマーを会場内に配置し、その合間を観客が巡り歩くインスタレーション型の上演形式となる。
※以上、2016年時点の情報
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1981年コロンビア生まれ、現在はアルゼンチンを拠点に活動する。ブエノスアイレス・サン・マーチン演劇・現代ダンス学校卒業。フィンランド、コロンビア、フランスでもバレエ等を学ぶ。哲学的問題と、エクササイズやスポーツ、労働、瞑想などの基礎的な行為との間で考察、探求する作品は、しばしば身体をその極限の状態にさらすことになる。
パノラマ・フェスティバル(リオデジャネイロ)、ポンピドゥー・センター・メス(パリ)、ウォーカー・アート・センター(ミネアポリス)、モンペリエ・ダンスフェスティバル、ウィーン芸術週間など、世界各地の舞台芸術祭や芸術施設で作品を発表している。
※以上、2016年時点の情報