ナイロン100℃ SIDE SESSION SPECIAL
ナイロン100℃ SIDE SESSION SPECIAL
ドイツの放送作家、ギュンター・アイヒによって1950年代に書かれたオムニバス放送劇『夢』。その中から舞台用にアレンジ可能と見なした3編を選び、オリジナルで書き下ろした3編を加えて上演。何十年も止まらない列車に閉じ込められて暮らしている家族の話『列車』、ある三流小説家が死の世界を経験する『死』など、6話6様の悪夢が繰り広げられる。「ナイロン100℃」史上初めての、笑いが一切ない作品。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
ナイロン100℃の前身となる「劇団健康」は、1985年、当時のインディーズバンドブームの中心的存在にあったバンド「有頂天」のボーカルを務めていたKERAを中心に、犬山犬子(現・犬山イヌコ)、田口トモロヲ、みのすけらによって旗揚げされた。ナンセンス・コメディを中心とした本公演14作品と数々の番外公演を上演し、高い評価と人気を得るも、1992年に解散。翌1993年、再びKERAを主宰として、犬山、みのすけ、峯村リエ、三宅弘城、今江冬子、藤田秀世、手塚とおるらで、ナイロン100℃を立ち上げ、1st SESSIONとして『インタラクティブテクノ活劇 予定外』を発表。
公演をSESSIONと称することに表れているとおり、劇団員に加えて客演やクリエイティブ・スタッフとともに、ナイロン100℃にしかできない表現を生んでいる。
これまでナンセンスな笑いを交えた作品をはじめ、シチュエーション・コメディ、ミステリー・コメディなどを上演してきたが、近年は岸田國士、フランツ・カフカ、別役実などをオマージュした作品や、壮大な群像劇など、多彩な舞台を発表している。
2019年、第45回公演『百年の秘密』(再演・2018年上演)にて、第26回読売演劇大賞 最優秀作品賞を受賞。
善意を描くことを避けてきたKERAが、初めて"善人のみ"を登場人物に、これまでにも増して繊細に描き出したデストピア・スケッチ。クリスマスの夜、パーティーの計画を練る兄弟。しかし、楽しい一夜になるはずが、ちょっとした誤算からその計画はもろく崩れ去ってしまう。弟が想いを寄せる女、謎のヤミ医者、兄弟の部屋を間借りしたいと言う女、ガスの点検に来たと言う男。兄弟の家に集まった彼らの抱えていた「秘密」が彼らの
カフカ的緊張感と平衡感覚によって繰り広げられる、ケラリーノ・ナンセンスの金字塔。フリーライター・高野正五郎(藤田秀世)宅に1本の間違い電話が入った。それ以来、妻・マチルダ(峯村リエ)は「うちはソバ屋じゃないです」と言いながら、せっせと出前に勤しむようになる。高野は反対しながらも出前持ちやそば職人を雇い、自らの行動さえも矛盾してゆく。同じ頃、小説の仕事が舞い込んできた高野は張り切って構想を練るが、
「無いみたいなんですよ、手も足も、顔も胴体も……」確かなものはなにもない。別役実×ルイス・ブニュエルを意識した果てなく更新され続ける言葉と世界。ケラリーノ・サンドロヴィッチが放つ不条理演劇の最新形!賛成派と反対派のシュプレヒコールが遠くに聞こえる中、物語は始まる。とある洋館に暮らす金持ちの一家。その中では父親(三宅弘城)と母親(犬山イヌコ)、そして息子(遠藤雄弥)と娘(峯村リエ)が、今日も退屈な会
昔は裕福だったが今は没落している廻一家がある日、ボロアパートに引っ越してくる。その日は長女・想子(新谷真弓)が日航機墜落事故で亡くなった命日。墓参りだけはしようと、アル中の母親・澄代(峯村リエ)は家族を促すが、ぐうたらな父親・時雄(佐藤誓)も、長男・時次(大倉孝二)も次女・春江(長田奈麻)も無反応。そんな絵に描いたような崩壊家族をなぜか大家夫婦(原金太郎・池谷のぶえ)はアパートから追い出そうとして