何の罪かわからないまま逮捕された男ヨーゼフ・K(「審判」より)、吹雪の中どんなに歩いても城に辿り着く事ができない測量士K(「城」より)、親に捨てられ、権力者の伯父に引き取られたものの、その伯父に逆らったことで勘当された少年カール・ロスマン(「失踪者」より)。
カフカの作品に登場する人物達によるオムニバス形式に場面は次々にかわり、短いエピソードが続く。
役者の経験からでてきたエピソードや人物と、それに加えてカフカの小説の物語や登場人物たちが、各パートにまたがって交錯して出て来たりしながら進行する。
それぞれは断片的に見えても、それまでに登場したキャラクターが出てきたり、部分的には話がつながっていたりする不思議な構成は、そのまま、カフカの不条理な世界感を表現する。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
ナイロン100℃の前身となる「劇団健康」は、1985年、当時のインディーズバンドブームの中心的存在にあったバンド「有頂天」のボーカルを務めていたKERAを中心に、犬山犬子(現・犬山イヌコ)、田口トモロヲ、みのすけらによって旗揚げされた。ナンセンス・コメディを中心とした本公演14作品と数々の番外公演を上演し、高い評価と人気を得るも、1992年に解散。翌1993年、再びKERAを主宰として、犬山、みのすけ、峯村リエ、三宅弘城、今江冬子、藤田秀世、手塚とおるらで、ナイロン100℃を立ち上げ、1st SESSIONとして『インタラクティブテクノ活劇 予定外』を発表。
公演をSESSIONと称することに表れているとおり、劇団員に加えて客演やクリエイティブ・スタッフとともに、ナイロン100℃にしかできない表現を生んでいる。
これまでナンセンスな笑いを交えた作品をはじめ、シチュエーション・コメディ、ミステリー・コメディなどを上演してきたが、近年は岸田國士、フランツ・カフカ、別役実などをオマージュした作品や、壮大な群像劇など、多彩な舞台を発表している。
2019年、第45回公演『百年の秘密』(再演・2018年上演)にて、第26回読売演劇大賞 最優秀作品賞を受賞。
NYLON 100℃ 9th SESSION ノンストップサクセスストーリー
永作博美、阿部サダヲ、古田新太らを迎えた、小劇場バックステージもの。次々と襲いかかる困難に立ち向かう弱小劇団を描いたシチュエーション・コメディは、後に様々なエピゴーネンを生み出すことになった。2036年、東京。21世紀の演劇人たち4人がバーに集い、90年代に演劇野郎だったという老マスター(廣川三憲)の回顧話を一晩中聞くことに。話の舞台は1996年の下北沢。劇団“下北ビートニク”の新人スタッフとして
KERA自作の曲に由来する、ナンセンスとサスペンスで彩られた、子どもをめぐる親たちの物語郊外の動物園のそばに建つ一軒家に住むサトウ家の夫婦(峯村リエ・山内圭哉)。その息子・ケンタロウ(みのすけ)はイジメが原因で不登校中だ。彼をめぐり、新任の家庭教師・サクライ(水野美紀)や、動物園の飼育係・ユウチャン(大倉孝二)、ケンタロウの同級生のスズキサチオの両親(犬山イヌコ・山崎一)、自分を神様と名乗る男(廣
善意を描くことを避けてきたKERAが、初めて"善人のみ"を登場人物に、これまでにも増して繊細に描き出したデストピア・スケッチ。クリスマスの夜、パーティーの計画を練る兄弟。しかし、楽しい一夜になるはずが、ちょっとした誤算からその計画はもろく崩れ去ってしまう。弟が想いを寄せる女、謎のヤミ医者、兄弟の部屋を間借りしたいと言う女、ガスの点検に来たと言う男。兄弟の家に集まった彼らの抱えていた「秘密」が彼らの
