(パンフレットより)
「ほろほろ」
今まで、たくさんの人と別れてきて、きっと、これからも、別れるだろうと、
そう思って、この作品は出発した。
記憶を巡ってみても、思い出すのは、断片的な、
しかも、ぼやけて色褪せた、曖昧な風景で、
そんな、脳内の、それに、
フォーカスを合わせ、シャッタースピードも最速に上げて、
記憶の一瞬を、捉えようと試みた。
それが、どれだけビビットに映ったか、
もしくは、もう、記憶は、ぼやけたままなのか。記憶に、立ち止まってはいけないのか。
また、春が来たら、
それぞれ、新たな記憶を求めて、散り散りになる。
もう、
口の中じゃ、鉄の味で満ちていて、
匂いは、もう、夏を意識している。
街は、着実に、進んでいる。
さよなら、さよなら。
先に、行きます。
藤田貴大
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
藤田貴大が全作品の脚本と演出を務める演劇団体として2007年設立。2012年よりオリジナルの演劇作品と並行して、他ジャンルの作家との共作を発表。あらゆる形で作品を発表し、演劇界のみならず様々なジャンルの作家や観客より高い注目を受けている。
(パンフレットより)「しゃぼんのころ」本作品は、前作の『たゆたう、もえる』までの試みとは、たぶん違ってきていて。たぶん、っていうのは、明確に、そう、とは言い切れないって意味で。今までを断ち切って、全く変わって、今に至るわけでもなくて。でも、違ってきているっていうのは、その変容していく様子を、今の自分たちの現場から、どうやら感じることができているからである。変容していくっていう僕らの今と『しゃぼんの
(パンフレットより)頭がキリキリする、はあ、八月、も、もう中間付近、僕、相変わらず、作品、つくっている、そりゃあ、汗だくになりながら、つくりまくっている、つくって、疲れて、今日もアパート帰る、帰って、部屋で、腐りきっている、ちょっと腐って、復活して、また、頭の中で、また作品、つくる、翌朝、作品つくりに、家を出る、駆け足、で、稽古場、に、向かう、そんなループの中、に、僕はいて、つくるつくる、を、繰り
「コドモも、モモも、森んなか」いつか、モモとゆう存在を、なくすのだとわかってはいたけれど、やっぱりなくしてしまって、そのことがやっぱりおおきかった。七月だった。モモが、なくなったのは。かんがえちゅうで、まだまとまらない。モモが、なくなってしまって、鳴らなくなった音があった。でもそれでも、物音がすると、モモじゃないかと振り向いてしまう。まだモモが、いるような気がして。音をさがす。そんな時間を、つくら
2013年に演劇作家・藤田貴大率いるマームとジプシーは、漫画家・今日マチ子「cocoon」を原作に、沖縄戦に動員される少女たちに着想を得て製作・発表した。2022年の再再演では東京公演が一部中止になるものの、全国9都市での上演を果たした。本作は、マームとジプシーがどのような思いで沖縄と向き合い、3度目の上演に取り組んだかを描く。製作過程や公演中止を判断した場面を中心に、今の時間を取り入れ描いた映像