(パンフレットより)
「ほろほろ」
今まで、たくさんの人と別れてきて、きっと、これからも、別れるだろうと、
そう思って、この作品は出発した。
記憶を巡ってみても、思い出すのは、断片的な、
しかも、ぼやけて色褪せた、曖昧な風景で、
そんな、脳内の、それに、
フォーカスを合わせ、シャッタースピードも最速に上げて、
記憶の一瞬を、捉えようと試みた。
それが、どれだけビビットに映ったか、
もしくは、もう、記憶は、ぼやけたままなのか。記憶に、立ち止まってはいけないのか。
また、春が来たら、
それぞれ、新たな記憶を求めて、散り散りになる。
もう、
口の中じゃ、鉄の味で満ちていて、
匂いは、もう、夏を意識している。
街は、着実に、進んでいる。
さよなら、さよなら。
先に、行きます。
藤田貴大
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
藤田貴大が全作品の脚本と演出を務める演劇団体として2007年設立。2012年よりオリジナルの演劇作品と並行して、他ジャンルの作家との共作を発表。あらゆる形で作品を発表し、演劇界のみならず様々なジャンルの作家や観客より高い注目を受けている。
マームと誰かさん・さんにんめ
マームとジプシーを率いる藤田貴大が第56回岸田戯曲賞を受賞した直後、他ジャンルの作家との共作シリーズ「マームと誰かさん」を企画し、小さなギャラリーにて作品を発表。このシリーズはその後マームとジプシーに大きな影響を与えました。その第三弾は漫画家・今日マチ子さんとのコラボレーション。
マームとジプシーが小説家・川上未映子とタッグを組み、川上の書き下ろしの詩を含む6作品を俳優・青柳いづみの一人芝居として上演。2014年3月から約2ヶ月をかけて全国8都市にて巡演。
2014年に小説家・川上未映子のテキストを用い、青柳いづみ出演で「まえのひ」を上演。その第2弾となる本作は、川上の詩集「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」「水瓶」より、主に7篇の詩を使用して、6つの演劇を立ち上げた。各作品の衣装を6人のクリエイターやファッションブランドが担当。
(チラシより)26歳のときに書いた作品を、リユースして再構築してみようとおもうのだが、これに至るまではいろいろあった。マームとジプシーのこの三年間は、自分たちの過去に発表した作品をある意味、否定していく作業でもあった。とめどなく湧きでてくる、興味と。どうしようもなく拡大されていく、規模。どんどんと速くなっていく、スピード。取り巻くぜんぶのことにアプローチしていくときに振り返ってはいけなかった。振り
