KYOTO EXPERIMENT初の公募プロジェクトで選出され、2年にわたりリサーチと制作に取り組んできた、松本奈々子と西本健吾によるパフォーマンス・ユニット「チーム・チープロ」。
2021年にリサーチを開始したふたりが最初に掲げたテーマは「ワルツ」だった。コロナ禍で「接触」が憚られるなか、京都に存在したとされるダンス芸妓の史実を起点に戦前京都と現代と接続し、想像上の他者とワルツを踊る作品を発表。続く2022年は「女性の⾝体性」と「触れること/触れられないこと」についてのリサーチを発展させ、「月経の再魔術化」をテーマとした作品を発表する。習俗と科学的な言説が交差しながら意味づけられてきた「月経」。本作では科学的な知識や理解を重視しつつも、それだけでは扱いきれない月経の不条理さとともに踊るための「儀式」が執り行われる。そこで導き出されるのは、股を開き、地面を踏みしめる「四股ダンス」!? 自ら「NEO 子宮系ムーブメント」と称するパフォーマンスは、四股という型を手がかりに社会の境界を軽妙に越境していく。
2年をかけて集められた膨大なリサーチを⾝体に取り込んだ松本と西本。ふたりが繰り出すダンスとテキストが、その絶妙な駆け引きによりぶつかり合い呼応する本作。レクチャー・パフォーマンスの新たな “土俵” が開かれるかも。
※以上、2022年時点での情報
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
有料オンデマンド配信。事前に会員登録が必要です。
松本奈々子と西本健吾によるパフォーマンス・ユニット。身体と身振りの批評性をテーマに活動を続けてきた。近年は、都市における具体的な場所や時間から一つのステップを見出し、そのステップが喚起する複数のコンテクストとパフォーマーの身体感覚や記憶の交差をあつかうダンス作品を制作している。主な作品に、『20世紀プロジェクト』(2017-2018)、『皇居ランニングマン』(2019-2020) など。
KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭の公募プロジェクトで選出され、2年にわたりリサーチと制作に取り組んできた、松本奈々子と西本健吾によるパフォーマンス・ユニット「チーム・チープロ」。2021年に発表された『京都イマジナリー・ワルツ』では、明治期の京都・祇園に実在した"ダンス藝妓"をめぐるリサーチを経て、都市・生活空間で想像上のだれかとワルツを踊り、触れること・想像することを問う舞台
松本奈々子、西本健吾 / チーム・チープロ
3歳から20歳までバレエを踊り、その後自らの身体のあり方を問い直してきたパフォーマーの松本奈々子、主にドラマトゥルクの役割を担う西本健吾が共同で演出を行う「チーム・チープロ」は、綿密なリサーチを積み重ね、“身体”を媒介に個人の記憶と集団の記憶を再構築するパフォーマンスユニット。KYOTO EXPERIMENT初の公募プロジェクトで選出され、2021年・2022年の2年間にわたり京都芸術センターで制