既成戯曲の演出シリーズ
KAIKAのショーケース企画「gate」で、2018〜2019年にプログラムディレクターを務めた大石達起が、その発展版として手がけた「既成戯曲の演出シリーズ」のVOL.1。イギリスの劇作家、トム・ストッパードの『アルカディア』を大石自ら演出しました。
ウィリアム・シェイクスピア『ロミオとジュリエット』を原作として、人工知能(AI)による文章生成ツール「GPT-2」が書き起こしたリブレットを元に、足立智美が作曲、あごうさとしが演出したオペラ作品。近代英語のひとつの基準を作っているともいえるシェークスピアのテキストを人工知能によって書き直すことによって、物語の新しい形式を提示する。文化庁芸術祭大賞・サントリー芸術財団佐治敬三賞 受賞作品。
烏丸ストロークロックと祭
この『祝・祝日』は、劇場や場に人が集まり、俳優が舞台で神楽を舞うことで作られる祭です。かつて、宮中でも鎮魂の呪法として舞われていた神楽は、いつしか山伏たちによって農村にも伝えられ里神楽とし広く伝播しました。山伏は祭りをとりおこない、神楽を舞うことで、人々と自然(カミ)とのつながりを作り、人々は制御不可能な存在を認識し折り合いをつけ、心の拠りどころとしていたのです。 そういった宗教的な幻想を持てなく
烏丸ストロークロック×五色劇場
広島原爆投下、復興と分断、今なお、連帯を乞うて広島原爆投下、広島の観光名所の一つ「平和記念公園」。その緑豊かな公園は昔、「中島地区」と呼ばれる賑やかな繁華街だった。そこで栗原チエ子は生まれ育った。二〇一六年、初夏の平和記念公園。無数の木々の生い茂る広大な公園を、チエ子は介護者と共に歩く。脳裏に浮かび上がる、かつて存在した中島地区と人々は、やがてチエ子の眼前に現れる。「うちゃあ何も見えとらんかった」
KAVC FLAG COMPANY 2021-2022
「KAVC FLAG COMPANY2021-2022」に選出され、神戸アートビレッジセンターと共催で行った〈集団暴力シリーズ〉の一作。「ブラック企業」を主題として扱い、360°カメラが設置され、監視体制に置かれたオフィスを舞台に、ビジネスを巡る人間関係の歪みを描いた。フーコーのパノプティコン論やサルトルの思想を参照し、〈見ること・見られること〉=〈まなざし〉が権力関係や人格形成に及ぼす作用へと踏
FLOW series vol.1
本公演とは異なる手法を模索する実験的枠組〈FLOW series〉第一弾として上演。ネット空間で拡散される「Liminal Space」≒「境界的空間」と呼ばれる画像群をモチーフに、放課後の幼稚園・ハーフタイムのロッカールーム・深夜の選挙管理事務所などを舞台としたオムニバス風作品。俳優の「存在」ではなく「不在」に着目し、人間を使って“人間の居ない風景”を描くことを試みた。
令和3年度 次世代応援企画 break a leg
「令和3年度 次世代応援企画break a leg」に選出され、AI・HALL と共催で公演を行った〈集団暴力シリーズ〉の一作。「革命」を謳い原始共産主義を採用する集団農場を舞台に、「精神的指導者」亡き後の世襲を巡る抗争を描いた作品。カルト化した集団内での、資本や身体への〈所有〉および〈執着〉を巡る議論から、現代における〈信仰〉の現在地を問い直す。
ロームシアター京都 × 京都芸術センター U35創造⽀援プログラム“KIPPU”
「村八分」「集団農場」「ブラック企業」といったムラ社会的な閉鎖コミュニティを舞台とした〈集団暴力シリーズ〉の集大成的作品。雪深い山奥にひっそりと佇む民宿を舞台に、野生動物たちと共生する一族と、村の人々との衝突を描く。過去シリーズにも通底していた「家族」というモチーフを前景化し、それらを繋ぐ「食」という営みに焦点を当てながら、原始的かつミニマムな共同体の呪いと可能性へと切り込んだ。
第六回本公演
名も無い教室、並んだ8台のアンドロイド。今日も、休み時間は繰り返される。かつてアンドロイドが一台、『女王』役の頬を殴ってクラスから逃げ出した。そこへやってきた転校生は言う、「私は人間です」と。クラスは次第に人間という『バグ』によって狂わされていく…。クラス全員がアンドロイドという”設定”でプログラムされた通りの休み時間を繰り返し続ける、女子高生たちの多視点群像劇。
建築家の中西義照氏・住まい方アドバイザーの中西千恵氏のご夫妻が作・出演、THEATRE E9 KYOTO芸術監督のあごうさとしが演出する演劇公演。とある土地での家の妄想──。子どもが独立した後、プロの建築家が新たに家を建てるとしたらどんな建築が描かれるのか。その実際の建築計画、プロセスを演劇作品として上演。
THEATRE E9 KYOTOのある京都・東九条の地域に移住してきたフリーアナウンサー・能政夕介と、芸術監督・あごうさとしによる演劇公演。1925年、日本で最初の放送「あーあー、聞こえますか?こちらは東京放送局であります」という歴史的な第一声から約100年。言葉の変遷に、都市計画の変更による新たなまちづくりが始まろうとしている東九条のまちの変遷を重ね合わせて、過去・現在・未来を見つめる企画。
KYOTO EXPERIMENT初の公募プロジェクトで選出され、2年にわたりリサーチと制作に取り組んできた、松本奈々子と西本健吾によるパフォーマンス・ユニット「チーム・チープロ」。2021年にリサーチを開始したふたりが最初に掲げたテーマは「ワルツ」だった。コロナ禍で「接触」が憚られるなか、京都に存在したとされるダンス芸妓の史実を起点に戦前京都と現代と接続し、想像上の他者とワルツを踊る作品を発表。続
松本奈々子、西本健吾 / チーム・チープロ
3歳から20歳までバレエを踊り、その後自らの身体のあり方を問い直してきたパフォーマーの松本奈々子、主にドラマトゥルクの役割を担う西本健吾が共同で演出を行う「チーム・チープロ」は、綿密なリサーチを積み重ね、“身体”を媒介に個人の記憶と集団の記憶を再構築するパフォーマンスユニット。KYOTO EXPERIMENT初の公募プロジェクトで選出され、2021年・2022年の2年間にわたり京都芸術センターで制
恋を成就させるために手段を問わず行動する女の子を題材に、リアリティ溢れる繊細な人間関係を描く、努力クラブの本公演。「俺のこと好き?」「好きだよ」「本当に好き?」「なんで人の気持ちをうたがうかな」「じゃあ、どこが好きなの?」「難しいことを訊くね」「俺のこと本当に好き?」「わかんない」「そっか」
芸者文化に着想を得たパフォーマンス作品。磨き上げられた踊りや唄で客人を楽しませる芸者は、職業としては日本各地から消えつつあると同時に、日本の接客や美意識を伝える存在と捉えられています。本作は、この一見あたりまえの「おもてなし」の演出を、俳優の身体を通し観察するこころみです。現役芸者への取材や芸事の稽古などを昨年秋より重ね、文化の継承、エンターテインメント・システムとヒエラルキー、身体的性別と性自認