おそらくは誰もが子どもの頃、一度は遊んだことがあるシーソー。その語源はsee「見る、反復する」+saw「のこぎり、前後に動かす」らしいですが、この"see"と"saw"という現在と過去の単語がひとつになったこの言葉からは、さまざまな記憶のイメージが浮かんできます。ギッタン、バッコンと上になったり、下になったりを繰り返しながら、それぞれの高さで、僕らはそこからなにを見ていたのでしょうか?そしてそのとき、向こう側のもう一方には誰が乗っていたのでしょうか?やがてシーソーが傾いて、一方に乗った君が跳ね上がったときに見た風景を、もう一方で沈む君が想像するところからはじめます。これからやってくる日々を思い出し、それまでやってきた日々を綴り、どうしてそれが選ばれて、どうしてそれは選ばれなかったのか、君は考え、ある日に生まれ、ある日、死に、ここではないどこか遠くで見た風景を想像して、「見た?」と聞くと「見た」と君は答える。これは記憶についての作品ですが、いろいろな人のそれぞれの記憶の断片を集めて、作品自体を記憶化するイメージです。見る、と、見た、その間にある風景について。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
オンデマンド配信。
1997年結成。振付家・矢内原美邦、 映像作家・高橋啓祐、音楽家・スカンク/SKANKを中心としたパフォーミング・カンパニー。舞台のみならず、美術館でのパフォーマンス、ビジュアル作品の発表などダンスや身体表現の可能性を追求している。東京を主な活動拠点としながら、欧米やアジアなどでも作品を発表し、注目を集めている。2004年「森美術館MAMコンテポラリーアート賞」、2009年「日本ダンスフォーラム大賞」などを受賞。
Nibroll結成立10周年作品 /日本ダンスフォーラム賞受賞作品
ねえちょっと、みてみてよ。腺、腺、腺、ばっかり。ぼくと犬に、あなたの猫に。誰かさんと一緒に暮らすこの部屋に。街行く他人の体の中に。全て乗り越えられない境界線。ただあるだけの境界性。ロールしながら、じっと見る。
悲劇的な立場に置かれた5人の女優が、自らの不条理な状況を憂い、飾り立て、時に正当化しながら、自身の不幸を声高らかに語りあげます。現実社会で起こるリアルな悲劇と、不幸な自分に酔い不幸を誇張するフェイクの悲劇、また舞台上のフィクションとしての悲劇という3つの異なる時空から「悲劇」の構造を捉えることで、自分とこの世界の関係性を見つめ直します。 今を生きる私たちにとって「悲劇」とは何か、また人々は不条理と
This is weather news.いつも想像してみる。こうなればいい、こうなればいいって。This is weather news.でもそうなることなんてほとんどない。This is weather news.明日は、晴れなのか、雨なのか、本当は決まってる。This is weather news.This is weather news.私たちにはそれが分からない。でもそれを悲しいとは思
「リアルリアリティ」身体を省略し拡張する人はできるだけ動かなくてすむようにテクノロジーを駆使するそれに抗うつもりはない 楽がいいそれでもどこまで省略しようとするのか ふと不安になる人々の想像は 遥か彼方にある場所や 過去や未来にある時間をあたかも今ここにあるかのように具現化しようとするそれでも人は遠くでおこっている悲劇を想像することすらできないそこにある身体を共有することができないなにもない場所に