小学四年生のみちるは転校生。夏休みにこの町に越してきて、二学期から新しい学校に通っています。家族はお母さんとお兄ちゃんの三人暮らし、お父さんは死んでしまっていません。そのせいか、近頃みちるは、死んだらどうなってしまうんだろうと、しきりに考えるようになっています。
それからもう一つ、みちるの心の中には、みちるだけの友達・ひろみが住んでいて、いつも二人でぶつぶつ話をしています。お父さんがいなくなった寂しさと、恥ずかしがり屋で友達がつくれないせいかもしれません。
ある日のこと、夕焼けに染まる丘の上で、みちるは死んだ燕を見つけました。かわいそうにおもったみちるは、燕を丁寧に土の中に埋めてお墓を作ってあげました。そして、その燕に託して、お父さんへの手紙を書くのでした。もしできるならば、もう一度会いたいという願いを込めて。
台風が去った次の日、ようやく友達と遊ぶことが出来たみちるは、ふとしたことで喧嘩になり、またしてもひとりぼっちになってしまいます。ひろみもどっかへ行ってしまいました。その時、燕がやってきて、みちるをお父さんのところへ連れていくのでした。そして、お父さんと会ったみちるは・・・。
風邪が薫り、木の葉が舞う秋、何気ない生活の中で、少女は揺れ動く心の中に新しい自分を発見していくのでした。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
事前予約フォームより予約の上、ご来館ください。
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