むかしむかしグルシニアの地にひとりの権勢ゆるぎない権力者がいた。ある復活祭の日曜に、貴族たちの反乱によって領主は首を刎ねられる。混乱のさなか衣裳選びに夢中だった領主婦人は、若君ミヘルを置き去りにして都から逃亡する。台所女中のグルシェは戦地に赴く兵士シモンと婚約し、置き去りにされた若君ミヘルを助ける。
北の山国に住む兄のもとへむかうグルシェは、追ってくる兵隊の手を逃れ、知恵と力の限りをつくしてミヘルを守る。くさった吊り橋をふたつの命をかけて渡るグルシェ。やがてミヘルへの愛情が深まり、氷河のほとりで、自分の子どもとして育てようと決心する。
反乱のあった復活祭のころ、飲んだくれの村の初期アツダクが人々によって奉行に任命される。賄賂をとり、じゅうぶんに好色漢である彼は、しかし貧乏な虐げられた人々の味方となって、二年の間、横紙破りの判決を下していく。
内乱が終り、無秩序の時代は幕を閉じる。ミヘルの生みの母親の領主夫人がこどもの返還を要求して訴訟をおこし、育ての母親グルシェとともに法廷に立つ。裁くは正義のにせ奉行アツダク。
白墨の輪を使った裁判によって、アツダクはこどもをグルシェにあたえる。領主夫人を都から追い出したアツダクはその晩のうちに姿を消す。しかし彼が奉行であった無秩序の時代こそ「正義の行われた黄金の時代」として、末ながくかたりつがれた。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1954年創立(劇団三期会1967年東京演劇アンサンブルに改名)。演出家広渡常敏を中心にベルトルト・ブレヒトの『今日の世界は演劇によって表現できるか?』を問い続け、現代演劇の創造を続けている。
1977年東京武蔵関‘ブレヒトの芝居小屋’を拠点として、日本・海外の創作、翻訳戯曲を上演。海外公演や全国演劇鑑賞会、学校の演劇鑑賞教室などで旅公演を行っている。児童演劇も創立当初から全国のおやこ劇場とともに沢山の作品をうみだしてきた。講演会、シンポジウムなどで地域との交流など活動は幅広い。
2019年本拠地を埼玉県に移し‘野火止RAUM’がはじまった。
ジョバンニは、北の海へ漁に行って帰らない父を待ち、病気の母の世話をしている孤独な少年。学校ではいつも皆にからかわれ、たった一人カムパネルラだけがジョバンニの友達だった。美しく飾られたケンタウルスの星祭りの夜。ジョバンニは町のざわめきから離れて、一人丘の上に寝転がる。突然、汽車の轟音が聞こえたかと思うと、いつの間にかジョバンニは天の川を走る軽便鉄道に乗っていた。ふとみるとカムパネルラも乗っている。二
敗戦の夏、気象台の人々は気象関係の一切の資料を焼かなければならなかった。アメリカの占領により軍部は解体され、気象台もその傘下から解き放たれた。しかし焼却された資料には、暗号解読の乱数表などの特務班の資料だけでなく、気象部員の苦心の結晶である調査研究の集積が含まれていた。国家の管理のもとに、気象台はその自由な気象の精神を潰されていく。日本の民主化と反動へ移り変わる嵐の時代を舞台に、二人の気象人の生き
『ガリレイの生涯』のなかでブレヒトは、民衆の知性・理性への熱い信頼を謳っています。しかし、理性とは真逆のものにとりつかれた民衆がナチスを支えた時代、ブレヒトはどんな思いでこの戯曲を書きあげていったのか。「真理が自分を守るのに弱すぎる場合は、攻撃に移らねばならない」とブレヒトはガリレオ・ガリレイのい語らせる。このことばがぼくらのグループを震撼させる。グループのひとりひとりに対してさまざまの衝迫力で問
バルコニーに佇む若い人たち、窓の外を眺めながらおしゃべりともいえない会話を交わしている。一方、PTSDの兵士と、こどもを兵士に撃ち殺された母親が対話しようとしている。更にこの世を司っている?ような、ユリズンという男が存在し、彼が笑うと世界では轟音が鳴り響き、地震が起こり、軍隊が派遣され、…3つのワールドは次第に絡まりあい、最終的に一つになっていく。ウイリアム・ブレイクの予言詩をもとに書かれた作品。
